USB Type-CのVbus Hotとは

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USB Type-Cの記事で見かけるVbus Hotという単語について解説します。

Vbusとは

『そもそもVbusって何やねん』という話ですが、VbusとはUSBの規格で用意されている “電気を供給するための配線” のことを指します。

例えばスマートフォンを充電している時に電気を供給しているのがVbusですし、ポータブルHDDがPCに繋ぐだけで電源がオンになるのもVbusによって電気が供給されているからです。

上記の例からも分かるように、VbusはType-Cだけでなく、Standard-AやMicro-Bなどの全ての形状で用意されています。

Hotとは

Vbusについて分かったところで、次はHotについて説明します。

Hotという表現の由来ですが、これはUSB PDの仕様書に記載されている “Cold Socket” という単語に由来しています。

USB Power Delivery Specification Revision 3.0, Version 1.1, Section 1.6

Cold Socketという単語が登場するのはUSB PDの仕様書のみですが、同様の内容がUSB Type-Cの仕様書にも記載されています。

USB Type-C Cable and Connector Specification Rev 1.2, Section 2.3.1

USB Type-C Cable and Connector Specification Rev 1.2, Section 4.4.2

ざっくり言うのであれば、 “USB Type-Cを搭載した電源側の機器は、受電側の機器が接続されたことを検出してからVbusに電圧を掛けなさい” という仕様です。

このCold Socketは、ケーブル直出し式のACアダプタ等であれば対応していなくても良いことになっていますが、USB Type-Cレセプタクルを搭載したSource機器では必ず対応していなければならないことになっています。

しかしながら、例えばNexus 5X付属のACアダプタはType-Cレセプタクルを搭載しているにも関わらず、このCold Socketに対応していません。

Cold Socket非対応ということは、 “機器が接続されていようがいまいがお構いなしにVbusに電圧を掛けている” ということであり、言うなればHot Socketとでも言うべき代物です。

ここまで説明すれば分かるかと思いますが、
Cold Socketに対応していない → Vbusに電圧が掛かっている → Hot Socket(?) → Vbus Hot!!
みたいな感じでVbus Hotという表現が生まれたものと思われます。

余談

割とどうでも良い話ですが、Vbus Hotという表現はType-Cの仕様書に載っている正式なものではありません。(そもそもCold Socket非対応状態を表す正式な単語・表現が無い)

個人的には『Cold Socketという単語があるんだしHot Socketで良いんじゃないの?』と思わなくもないですが、Type-C製品をレビューしまくっているNathan氏がVbus Hotという表現を使っているため、それに合わせて私もVbus Hotという表現を使用しています。

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Vbus Hotの危険性

Vbus HotがUSB Type-Cの仕様から外れる挙動であり、どういった状態を指すのか分かったところで、次は “どういった場合に危険なのか” という点について説明します。

Vbus HotなACアダプタ同士を接続する場合

特別出演:dodocool / Volutz

こんなバカなマネをする人はそうそういないと思いますが、2つのACアダプタの両方がVbus Hotだった場合、これは危険な接続となります。

Type-Cの規格通りに設計されているACアダプタであれば、上記のような状態でコンセントに繋いでもVbusに電圧が印加されないので危険はありません。しかしながらVbus HotなACアダプタは機器の接続を確認せずに5Vを印加するため、それらのACアダプタをC to Cケーブルで接続してコンセントに繋いだ場合、上記のような事態になります。

A to Cケーブル+A to C変換アダプタで充電する場合

特別出演:dodocool

やや特殊な例ですが、上記のようにACアダプタ同士を繋ぐ場合よりかは有り得そうなシチュエーションな気がします。

まずACアダプタですが、Vbus HotなACアダプタは何が接続されていようがお構いなしにVbusに電圧を印加します。

そして充電される側の機器ですが、接続したType-CポートがDual-Role-Powerに対応していた場合、上の画像のようなA to C変換アダプタを接続すると『USBデバイスが接続された!』と認識します(USBメモリを接続したのと同じ状況)。そのため、そのUSBデバイスに電力を供給しようとして、Vbusに電圧を印加します。

そのため、この状態でACアダプタをコンセントに接続した場合、ACアダプタ・デバイスの両方から5Vが印加される事態となります。

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所感

規格に適合していないUSB Type-C製品を売り続ける中華アクセサリ屋はUSB Type-Cの仕様書を138752回読み返してほしいです。

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参考

Benson Leung – Google+
https://plus.google.com/+BensonLeung/posts/hF6b228zGvy

Nathan K. – Google+
https://plus.google.com/102612254593917101378/posts/GEvCNc5hARR
https://plus.google.com/102612254593917101378/posts/dgLwqvACbJm