多機能USB電力メーター AVHzY CT-2 (Kotomi Premium) を使ってみた

USB PDの通信をキャプチャしたり各種急速充電をトリガーできるAVHzY CT-2 (Kotomi Premium) を購入したので、機能や使い勝手などを簡単にレビューしてみます。

これは何?

VBUS (USBで電力の供給を担う配線) の電圧・電流を測定したり、トータルの電力量を積算できる、USB電力メーターです。安いものは1,000円程度からありますが、このAVHzY CT-2の販売価格は7,777円 (2019年1月25日時点) となっており、USB電力メーターの中では多機能かつ高価な部類に入ります。

こういったUSB電力メーターは複数の中国メーカーから色々出ており、それぞれ機能も値段も異なるので、物色してみると結構おもしろいです。

余談ですが、この手のUSB電力メーターは英語ではUSB Power Meter、略してUPMと呼ばれてるみたいです。

開封

対応している機能

AVHzY CT-2の機能を羅列すると、以下の通りです。

  • VBUSの電圧・電流を測定
  • ACアダプタの対応している急速充電規格を検出
  • 急速充電トリガー (スマホを接続していない状態でもQCなどを有効化)
  • eMarkerの読み取り
  • ACアダプタのPDOを表示
  • LightningケーブルのMFiテスト
  • ケーブルの抵抗値を計測
  • PCに接続して電圧・電流を測定・記録
  • PCに接続してUSB PDのパケットをキャプチャ・記録

対応している急速充電規格を検出

急速充電トリガー機能 (写真はQC3.0)

eMarker読み取り機能

PDO表示機能

PCに接続して電圧・電流を記録、電力量を積算

PCに接続してUSB PDのパケットをキャプチャ・記録

欠点

USB PDパケットキャプチャと電圧・電流の測定を両立できない

AVHzY CT-2はUSB PDパケットキャプチャと電圧・電流の測定を両立することができません。 (正確に言うと、一応できなくはないもののかなり微妙)

まず、パケットキャプチャモードに入るとCT-2本体のディスプレイは「PD Listen」という表示で固定されるため、本体で電圧・電流を確認することはできません。

一応PC側のソフトで電圧・電流を確認できるっぽいのですが、ちゃんと測定してくれているのかイマイチ怪しいです。あくまでパケットキャプチャと電圧・電流の測定は別々のものと思っておいたほうが良いです。

PDパケットキャプチャにケーブルが3本必要

構造上どうしようもないですが、パケットキャプチャにはケーブルが3本必要です。 (Source ~ CT-2、CT-2 ~ Sink、CT-2 ~ PC)

上の写真ではどちらも結構長い (2m) のケーブルを使っていますが、あまり長いケーブルを使うとトータルの抵抗やレイテンシの影響でUSB PDのネゴシエーションがうまくいかないことがあるので、長くても1m x 2本、できれば50cm以下 x 2本でキャプチャすることをオススメします。

他のUSB電力メーターとの違い

Kotomiシリーズ

Kotomi Premium

上の写真はAVHzY CT-2のプレートを外した時のものですが、基板に思いっきり「Kotomi Premium」と印刷されています。

これからも分かる通り、AVHzY CT-2 = Kotomi Premiumです。他には「POWER-Z KT001」や「100MHz UT100」といった名前でも販売されています。

その他のUSB電力メーター

USB電力メーターはいくつも種類があり、私が知っているだけでも以下のような製品があります。

  • AVHzY CT-2 (Kotomi Premium)
  • POWER-Z KT001 (Kotomi Premium)
  • POWER-Z KM001
  • POWER-Z KM001 PRO
  • POWER-Z KM001C
  • POWER-Z FL001
  • POWER-Z FL001 SUPER
  • POWER-Z FL001C
  • Kotomi
  • Kotomi+
  • Kotomi Pro
  • Kotomi Premium
  • YZXStudioシリーズ
  • WEB- U3SE
  • WEB- U2
  • RD TC66C

種類はやたらと多いですが、私が知る限り、PCに接続してUSB PDのパケットをキャプチャ・記録できるのはKotomi Premiumだけです。

POWER-Z KM001C・KM001 PROも一応キャプチャできるっぽい?のですが、PC側ソフトがpan.baiduで配布されていてダウンロードするのにアカウント作成が必要だったりと面倒くさそうな雰囲気を感じるので、チャレンジャー以外はKotomi Premiumが安パイだと思います。

「アナライザー機能は無くていいからもっと安いほうが良い!」という方にはTC66Cという選択肢もあります。3000円ぐらいで、PDOの確認と対応している急速充電規格のチェックが行なえます。

Media Logic DTW2U3と使い比べた感想

私はMedia LogicのDTW2U3 (PDワットみるC)という設計・検証用のちゃんとしたUSB PDアナライザーも持っているので、それと比べた感想は以下の通りです。

Media Logic DTW2U3が勝っているところ

  • 最小1ms刻みで測定・記録できる
  • CCの電圧を測定できる
  • PDパケットキャプチャと電圧・電流の測定を両立できる
  • DisplayPort over USB-Cのデコードを行える
  • USB PDのリビジョン (2.0 or 3.0) に応じてちゃんとデコードしてくれる

AVHzY CT-2が勝っているところ

  • リアルタイムの電圧・電流を本体ディスプレイに表示できる
  • D+/D-の電圧を測定できる
  • ACアダプタが対応している急速充電規格を検出・トリガーできる
  • 安い (Media Logic DTW2U3と比較して)

正直、比べてしまうとやっぱりAVHzY CT-2はホビー用だと思います。値段分の差は間違いなくあるというか、AVHzY CT-2で本格的な動作確認や検証はちょっと無理ですね。あくまで簡易的なものに留まると思います。

ただ、「じゃあMedia Logic DTW2U3だけで全て事足りるのか」と聞かれるとそうでもなくて、この2製品は似ているようで割と別ジャンルな気がします。Media Logic DTW2U3は「USB PD特化型」、AVHzY CT-2は「USB PDに限らずUSB充電を広く浅く」という印象です。

所感

オモチャとしては値が張りますが 、ACアダプタの対応している急速充電規格をチェックしたり、それをトリガーできたりと、ガジェット好きで色々持っている人は結構楽しめるのではないかと思います。

簡易的とはいえUSB PDのパケットキャプチャもできるので、「USB PDアナライザ欲しいけどちょっと諭吉は出せないなぁ……」という人にもオススメです。

一家に一台USB PDアナライザーがあると便利ですよ。

なお、AVHzY CT-2のマニュアルやPCアプリケーションは以下のページで配布されています。
https://forum.avhzy.com/forum.php?mod=viewthread&tid=1