cheeroブランドの自称USB 3.0 Type-C to Type-Cケーブル (型番:CHE-250) を買ったのでレビューを行います。
2019年3月28日 追記
cheeroが当該製品を購入した希望者には返品・返金対応を行うことを発表しました。
追記終わり
要約
USB Type-Cの仕様通りに設計・製造されていないケーブルです。
このケーブルを使用することによって接続した機器が破損するような可能性はありませんが、仕様通りに設計・製造されていないため、USB 3.2の2レーン動作やAlternate Modeによるデータ転送を行うことができません。
開封・写真
詳細レビュー
eMarkerなし
USB Type-Cの仕様で規定されている、両端がType-Cのケーブルは以下の2種類のみです。
「Full-Featured Type-C Cable」という単語を聞き慣れない人も多いと思いますが、USB 2.0ケーブル以外は全てFull-Featuredケーブルなので、「Full-Featuredケーブル = USB 3.Xケーブル」という理解でOKです。
そして、この記事で取り扱っているcheero CHE-250は「USB3.0規格に対応し、最大5Gbpsでのデータ転送が可能」と謳われているので、Full-Featuredケーブルに該当します。
すべてのFull-Featuredケーブルは “electronically marked” でなければならないと規定されており、eMarkerの搭載が必須となります。 (全てのE-MarkedケーブルはSOP’ Discover Identifyコマンドをサポートしていなければならず、そのためにはeMarkerを搭載する必要がある)
しかしながらUSBケーブルチェッカーによると、cheero CHE-250には仕様で定められているeMarkerが搭載されていません。
ケーブルチェッカーだけでなく、SOP’ Discover Identifyコマンドを送信する機器に実際に接続してUSB PDアナライザでパケットを見てみましたが、SOP’ Discover Identifyコマンドがやり取りされている様子はなく、eMarkerの搭載を確認することはできませんでした。
配線不足
Full-Featuredケーブルの配線は上記のように規定されており、22個のピンを結線する必要があります。
しかしながらUSBケーブルチェッカーによると、cheero CHE-250は「8ピン必要であるRx・Txのうちの4本」と「SBU1・SBU2」の合わせて6ピンが結線されていないという結果が出ました。
ケーブルを裏返して接続してみても結果が裏返しになっただけで6ピンが結線されていないという結果は変わらなかったため、ケーブルチェッカーの不良ではなく、間違いなく必要なピンが結線されていません。
これらはUSB 3.2の2レーン動作やAlternate Modeで使用されるピンであるため、それらが結線されていないcheero CHE-250ではUSB 3.2の2レーン動作やAlternate Mode動作を行うことができません。
所感
このケーブルは890円で販売されていたのですが、やっぱり1,000円以下のUSB 3.X Type-C to Type-Cケーブルにロクなものはないですね。
この記事について
この記事で使用しているcheero CHE-250は、Amazon.co.jpのマーケットプレイス販売者「cheero mart」から、当サイトの管理人が購入したものです。 (購入元URL)
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