USBの仕様上、USB PD非対応のUSB Type-Cケーブルは存在しない

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※この記事での「USB Type-Cケーブル」とは、ケーブルの両端がUSB Type-CのC to Cケーブルのみを指します。片端だけがUSB Type-Cのケーブルは含みません。 (片端だけがUSB Type-Cのケーブルは、そもそも構造的にUSB PDに対応させることができません)

USB Type-Cケーブルを探していると、メーカーのホームページや製品パッケージなどに「このケーブルはUSB PDには対応していません」的な説明が書かれている場合がありますが、USBの仕様上、USB PD非対応のUSB Type-Cケーブルは存在しません。


USB Type-C Cable and Connector Specification, Release 2.0

この表はUSB Type-Cの仕様書に記載されているもので、USB Type-C Cable and Connector Specification Release 2.0時点での全種類のUSB Type-Cケーブルを列挙しています。この表の「USB Power Delivery」の列を見てみると、全てのケーブルで「Supported」となっていることが分かります。これがどういうことかというと、すべてのUSB Type-CケーブルはUSB PDをサポートしている、つまり、USBの仕様上「USB PD非対応のUSB Type-Cケーブル」は存在しないということを示しています。

少し技術的な説明をすると、USB PDの動作には電力供給に使われるVBUS, GNDの他にConfiguraiton Channel (CC) というピンも結線されている必要があります。USB Type-Cの仕様上、すべてのケーブルでCCは必須となっているため、たとえメーカーがUSB PD非対応と言っていようが、100均のケーブルだろうが1万円のケーブルだろうが、USB Type-Cの仕様上はオプティカルケーブルを除くすべてのケーブルが少なくとも60WのUSB PDをサポートします。


変な解釈をされても困るので一応言っておきますが、USBの仕様上すべてのケーブルがUSB PDをサポートしている (はず) だからといって、100均のケーブルやメーカーがUSB PD非対応としているケーブルを充電に使うことを推奨しているわけではないです。この文章の意図としては「USB Type-Cの仕様通りに製造されているケーブルであれば技術的にはすべてのケーブルがUSB PDをサポートしているはずだよ、USB PD非対応のケーブルというのはUSBの仕様上存在しないよ」ということを言いたいだけです。数万円〜十数万円のデバイスを充電するのですから、100均のケーブルやメーカーがUSB PD非対応としているケーブルではなく、それなりのメーカーのそれなりのケーブルを使うことを個人的にはお勧めします。