メーカーのホームページや製品パッケージなどに「このケーブルはUSB PDには対応していません」的な説明が書かれている場合がありますが、USBの仕様上、USB PD非対応のUSB Type-Cケーブルは存在しません。
※この記事での「USB Type-Cケーブル」とは、ケーブルの両端がUSB Type-CのC to Cケーブルのみを指します。片端だけがUSB Type-Cのケーブルは含みません。 (片方だけがUSB Type-Cのケーブルは、そもそも構造的にUSB PDに対応させることができません)

USB Type-Cの仕様書にはこのような表が載っています。「USB Power Delivery」の列を見てみると、全てのケーブルで「Supported」となっています。つまり、USBの仕様上「USB PD非対応のUSB Type-Cケーブル」は存在しません。すべてのUSB Type-Cケーブルが最低60WのUSB PDをサポートしています。 (100Wはケーブル次第)
USB Type-Cの仕様通りにケーブルを設計・製造した場合、どんな種類のケーブルであっても、USB PDの動作に必要なConfiguration Channelというピンが必ず結線されます。そのため、USB Type-Cの仕様通りに設計・製造されているケーブルは、メーカーがUSB PD非対応と言ってようが何だろうが、100円のケーブルだろうが1万円のケーブルだろうが、すべてのケーブルで少なくとも60WまでのUSB PDが動作します。もしUSB PDが動作しないのであれば、それはUSB PD非対応なのではなく、ただの仕様違反のケーブルです。
変な解釈をされても困るので一応言っておきますが、USB PDが動作するからといって、100均のケーブルやメーカーがUSB PD非対応としているケーブルでUSB PD充電を行うことを推奨しているわけではないです。メーカーがUSB PD非対応としている理由は分かりませんが、ちゃんとしたメーカーのちゃんとしたケーブルを使うほうが良いと思います。