Anker PowerPort+ 1 USB-C with Quick Charge 3.0 レビュー

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AnkerのUSB Type-C ACアダプタ (型番:A2012511) を購入したので、レビューを行います。

対象の製品

クイックレビュー

USB Type-Cの規格に適合していないACアダプタです。そのため、このACアダプタの購入・使用は推奨しません。

テスト項目

  • VBUS Hot: Yes
  • Bridged CCs: No
  • Quick Charge: Yes (3.0)

開封・製品画像

  • PowerPort1 USB-C with Quick Charge 3.0
  • Model: A2012
  • Input: 100-240V-0.7A 50-60Hz
  • Output: 3.6V-6.5V=3A / 6.5V-9V=2.7A / 9V-12V=2A
  • Anker Technology Co. Limited
  • Made in China
  • PSEマーク: あり (ひし形 / TÜV SÜD PSB / アンカー・ジャパン株式会社)

VBUS Hot

USB Type-Cレセプタクルを備えるSource機器は、CCによってSinkの接続を検出してからVBUSに電圧を印加するよう定められていますが、Anker A2012511はSinkが接続されていない状態でもVBUSに電圧を印加しており、これはUSB Type-Cの規格に適合しない挙動です。

Quick Charge 3.0

A2012511はQuick Charge 3.0に対応していますが、USB Type-CはUSBが定める方法以外でVBUSの電圧を既定値以外に変動させることを禁止されているため、この設計はUSB Type-Cの規格に違反しています。

USB Type-C Cable and Connector Specification Revision 1.2, Section 4.8.2

しかしながら、電子負荷などを使用してQuick Charge 2.0/3.0有効時のCC1・CC2の電圧を測定してみたところ、この点についてはUSB Type-Cで規定されている範囲内の数値でした。

電子負荷がVBUSで、テスターに表示されているのがCCの電圧です。

そのため、以下の記事で紹介したような事態は恐らく発生しないものと考えられますが、そもそもUSB Type-C上でのQC 3.0自体がType-Cの規格に適合しない設計であるため、その点には留意しておく必要があります。

一部のQuick Charge 3.0対応USB Type-C ACアダプタはケーブルを破損させる恐れがある
一部のQuick Charge 3.0対応USB Type-C ACアダプタはケーブルを破壊する可能性があるので注意しましょう。

その他

Bridged CCs

A2012511のCC1・CC2は規格通りそれぞれがRpでプルアップされており、eMarker搭載ケーブルを使用した場合でもSinkのアタッチ・デタッチを検出することができます。(VBUS Hotなので意味ないですが)

過電流保護

A2012511には過電流保護機能が実装されており、規定以上の負荷が掛かった場合には出力がシャットダウンされます。

5V時には約17Wを超えるとシャットダウンします。
12V時には約26Wを超えるとシャットダウンします。

Apple 12W

A2012511はApple独自の12W給電をサポートしているため、USB Type-C to Lightningケーブルを使用してiOS機器を充電した場合でも、純正ACアダプタと同等の速度で充電することが可能です。

写真はD+のものですが、D-も約2.7Vが印加されていました。

所感

ネットでは盲目的に「Ankerなので安心ですね!」みたいなことを言っている人がチラホラいますが、今回レビューしたAnker PowerPort+ 1 USB-C with Quick Charge 3.0は必ずしもそうではないという良い例だと思います。Ankerも所詮は “中華アクセサリ屋” の1つなので、疑ってかかるぐらいが丁度よいでしょう。