iPad Pro 11付属のACアダプタとケーブルの仕様をチェック

iPad Pro 11を購入したので、付属のACアダプタとケーブルの仕様を確認してみました。

ACアダプタ

ACアダプタの型番は「A1720」で、出力は「5V/3A」「9V/2A」と記載されています。

USB PDのリビジョンは2.0で、Source_Capabilitiesメッセージの内容は、外装の印刷と同じ「5V/3A」「9V/2A」のFixed Supply PDOでした。

この出力はUSB PDのPower Rulesに完璧に沿っており、アクセサリ類やAndroidスマートフォンといった、Apple以外のUSB Type-C製品との高い互換性が期待されます。

また、VBUS HotやBridged CCs、Split PDOではありませんでした。 (USB Type-C・USB PDの規格通り)

ケーブル

ケーブル内臓のeMarkerが送信するDiscover Indentifyコマンドによると、iPad Pro 11付属のケーブルはUSB 2.0で5A対応のようです。

iPad Pro 2018の発表と同時に、製品ラインナップに「USB-C充電ケーブル(1m)MUF72FE/A」が追加されたので、おそらくそれと同一品と思われます。

充電テスト

iPad Pro 11

iPad Pro 11付属のACアダプタとケーブルでiPad Pro 11を充電したところ、まず5V/3Aで、そのあと9V/2AでUSB PDのネゴシエーションが行われ、約18Wが供給されていました。

iPad Pro 10.5

iPad Pro 11付属の18W ACアダプタと、Apple純正のUSB-C – Lightningケーブル A1656でiPad Pro 10.5を充電したところ、9V/2AでUSB PDのネゴシエーションが行われ、約18Wが供給されていました。

細かい話

上の画像は、iPad Pro 11を付属のACアダプタとケーブルで充電した際のUSB PDのメッセージのログです。

まず最初に気になったのが、5VのRequestメッセージのCapability Mismatchのビットが1になっている点です。Capability MismatchはSinkの電力要求をSourceが満たせない場合に1とセットされるため、「付属のACアダプタなのに出力が足りないのか?」と思ったのですが、どうもちょっと違うようです。

いろいろ試してみたのですが、iPad Pro 11は18W未満でネゴシエーションする場合にもれなくCapabilitiy Mismatchのビットを1にセットしていました。MacBookシリーズも、付属ACアダプタ未満 (MBP 13″であれば60W未満、MBP 15″であれば86W未満) の電力でネゴシエーションを行う場合にはもれなくCapabilitiy Mismatchのビットを1にするようなので、Apple的には「供給されている電力が付属ACアダプタ未満」ということを示しているだけのようです。

Capabilitiy Mismatchが1になっているからといって、出力が小さすぎて充電できないことを示しているわけではないようなので、あまり気にする必要はなさそうです。

そして2つ目が、Apple Alternate Modeです。上記のログの通り、SVID 05ACのAlternate Modeに入っていました。05ACは10進数にすると1452であり、1452はAppleのUSB Vendor IDであるため、これはApple独自定義のAlternate Modeです。

USB Type-CなMacBookシリーズは、Apple純正のUSB Type-C ACアダプタで充電している場合にのみシステム情報にACアダプタのシリアルナンバーが表示されますが、あれはシリアルナンバーがApple Alt ModeでMacBookへと伝えられることによって実現しています。恐らくiPad Pro 11でも、MacBookシリーズのように、シリアルナンバー等のやり取りが行われているものと思われます。

所感

今回のiPad Pro 11付属のACアダプタはPower Rules準拠・非Split PDOということで、規格に準拠した仕様なわけですが、2017年以前のAppleのUSB Type-C ACアダプタはPower Rulesガン無視だったので、正直「やっとか……」という感じです。

それはさておき、ケーブルは5A対応品ですし、ACアダプタも他のコンセントを邪魔しにくい形状なので、モノとしてはなかなか良さそうです。2019年発売のiPhoneにも同じものが同梱されるといいですね。