EIZO FlexScan EV2785 ミニレビュー : マイベストモニター

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EIZOの27インチ4Kモニター「FlexScan EV2785」を購入して1ヶ月ほど使ったので、簡単に使用感を書きます。

結論を先に言ってしまうと、今まで使ったモニターの中で1番良いです。非常に満足しています。

開封・付属品

こんな感じのダンボールに入って届きます。

ダンボールから取り出すと、既に組み上がった状態で出てきます。DELLやLGあたりのモニターはスタンドを自分で組み立てる必要がありますが、EIZO EV2785は既に組み上がってるので楽チンです。

1ヶ月使ってから写真を撮り直したのでケーブルが多少ゴチャってますが気にしないでください

付属品は以下の通りです。

  • ドキュメント類
  • 電源ケーブル
  • HDMIケーブル (2m、Premium High Speed、新泰工業製、EIZOの型番はHH200PR)
  • DisplayPortケーブル (2m、DisplayPort 1.2 ?、新泰工業製、EIZOの型番はPP200B)
  • USB Type-Cケーブル (2m、USB 3.1 Gen 2 ?、ACON製、EIZOの型番はCC200SS-2)

付属のUSB Type-CケーブルのeMarkerはこんな感じです。522 (16進数) はACONのUSB Vendor IDなので、ODM元はACONのようです。 (50VとなっているのはAVHzY CT-3が読み取ったCable VDOを間違ってデコードしているだけなので無視してください。)

接続性はまずまず

EV2785にはHDMI入力が2系統、DisplayPort入力が1系統、USB Type-C DisplayPort Alternate Mode入力が1系統備えられています。HDMIも2系統ありますし、大多数の人はこれだけあれば足りるでしょう。

DisplayPort入力はモニターの電源をオフにしてもPCからは認識されたままになります。そのため、いわゆるDisplayPortの電源オフ問題は発生しません。DisplayPort接続でPCをスリープさせたりモニターの電源を切ったりしてみましたが、表示されているウィンドウの位置や大きさは保持されていました。

USB Type-CポートはUSB PD 60W出力に対応していり、電力供給を行うことが可能です。

DisplayPort Alternate Modeのスペックは以下の通りとなっています。

  • DisplayPort 1.2 (HBR2)
  • UFP_D Pin Assingment C/Dを切替可能

DisplayPortの信号としてはHBR3に非対応で、HBR2までの対応の模様です。そのため、EV2785の側面にUSBハブとして用意されているUSB 3.1 Standard-Aポートは4k 60Hz利用時にはUSB 2.0動作に制限されます。ただし、EV2785の設定からUFP_D Pin Assingment CとDを切り替え可能なので、4k 30Hzに制限すれば側面のUSBハブをUSB 3.1で動作させることも可能です。 (設定方法はマニュアル参照)

スタンドの機能性が高い

https://www.eizo.co.jp/products/lcd/ev2785/

EIZO EV2785のスタンドは以下の機能に対応しており、ポジションを自由自在に調整可能です。

  • 高さ調整: 約18cm
  • チルト: -5°〜35°
  • スイベル: -172°〜172°
  • ピボット: 対応 (右回転のみ)

高さが足りないせいでモニターアームを使用しているという人もいるかと思いますが、EV2785はかなり高いポジションまで調整できるため、高さを確保する目的でモニターアームを用意する必要は基本的にありません。私は最大よりもちょっと下げるぐらいで使っています。

もちろんVESAマウントもあるため、モニターアーム派の人も問題なく使用できます。サイズは10 x 10 cmです。

表示品質

モニターにとって1番重要な表示品質についても満足しています。

あくまで感覚的なものですが、EIZO EV2785は入力された映像データを変に脚色することなく表示しようとしている印象です。エンターテインメントに主眼をおいたモニターだと良くも悪くもテレビっぽく脚色した表示をするものがありますが、EIZO EV2785にそういった傾向は感じません。

キャリブレーターを使って色々計測しているレビューを参照したところ、EIZO EV2785は色温度6500K、Delta-E < 2 (平均値) になるよう工場出荷時にキャリブレーションされているようでした。

https://www.techpowerup.com/review/eizo-flexscan-ev2785/6.html
https://www.prad.de/wp-content/uploads/2018/03/Eizo-EV2785-srgb.pdf

EIZO EV2785でブログ用の写真の現像なども行っていますが、今のところ不満を感じたことはありません。「EIZO EV2785で現像した写真を他のデバイスで表示すると色が違って見える」なんてこともありませんし、軽い趣味程度の写真の現像やWebデザインであればこなせる程度の表示性能は有していると思います。

(とはいえ、「EIZOの同じモニターを2枚買ったら色味が全然違った」と言っている人もいるので、あくまで参考程度でお願いします)

自動輝度調整機能が最高

ディスプレイ周りに関する話なのでついでに語りますが、EIZOのモニターは自動輝度調整機能 (EIZOが言うところのAuto EcoView) が最高です。私がEIZO EV2785を購入したのも、この自動輝度調整機能が理由の95%ぐらいを占めています。

Q. 自動調光(Auto EcoView)は、どのような機能ですか?どのように設定しますか?

A. FlexScan EVシリーズは、周囲の明るさに応じて画面の明るさ(ブライトネス)を自動で調整する「Auto EcoView」を搭載しています。いずれのモニターも本機能をオンの状態で出荷しており、開梱後、環境の明るさに合わせてブライトネスが自動的に最適化されます。お好みに応じて、モニターのメニューから本機能のオン・オフや調光特性(ブライトネスの変化の度合い)を設定することが可能です。

https://www.eizo.co.jp/support/db/faq/1735

※ 「自動輝度調整機能」だと長いので、以後EIZOに倣って「自動調光」と表記します

自動調光はスマートフォンやタブレットでは必須の機能で、ノートPC、TVなどでも大部分のモデルに搭載されている機能ですが、なぜかPC用モニターではいつまで経っても普及しません。BenQの一部製品 (ブライトネス・インテリジェンス搭載製品) やLGの一部ハイエンドモデルには自動調光が搭載されているようですが、シリーズ全てに自動調光が搭載されているのはEIZO FlexScanのみです。

確かに、スマートフォンやノートPCと比較して自動調光の必要性が低い製品ジャンルであるというのは否定しません。1度設置したらそうそう動かすものではありませんし、オフィスなどでは昼も夜も明るさがある程度保たれていてモニターの輝度を変える必要がないため、「全てのPC用モニターが必ず搭載すべき機能」とまでは思いません。

一方で、一般家庭では自動調光はほぼ必須の機能だと私は思っています。窓のある部屋は少なからず昼と夜で明るさが変わるので、画面の明るさも自動で変わってくれた方が絶対に良いです。適切な明るさで使わなければ目が疲れますし、いちいち手動で変えるなんてめんどくさすぎます。

最近はテレワーク用にモニターを買おうか考えている人もいると思いますが、私はEIZOのモニターをオススメします。今回レビューしているEV2785は4Kモニターということもあり約10万円と結構高価ですが、フルHD 24インチぐらいのモニターであればEIZOでも4万円程度とそこまで高くはありません。安いものだと2万円ぐらいで他のメーカーの同等スペックのモニターを買うことはできますが、現代人はとにかく目を酷使しがちなので、ちょっと奮発して自動調光機能のあるEIZOのモニターを買うというのは決して無駄なコストではないと私は思います。

画面をめっちゃ暗くできる

https://www.eizo.co.jp/products/lcd/ev2785/

EIZOのモニターは設定できる画面輝度の幅が広く、かなり暗くすることができます。量販店で色々なメーカーのモニターをいじってみましたが、EIZOのモニターだけダントツで暗く設定することができました。

EIZO以外のモニターだと「最小まで暗くしてもまだ眩しい」ということがしばしばありますが、EIZOのモニターであればそのような悩みとは無縁です。「暗すぎて何が表示されてるのか読めねぇよ!」ってぐらい暗くすることができます。

おわりに

EIZO EV2785は今まで使った中でベストなモニターです。約5年前に同じEIZOのEV2450を購入したあと、DELLの27インチWQHDモニターLGの32インチ4K UHDモニターを買ってみたりと迷走していましたが、このEIZO EV2785を購入したことによってひとまずのゴールに辿り着いた感じがします。

4Kモニターはだいぶ価格がこなれてきていて、27インチのエントリーモデルであれば4万円でお釣りが来ます。一方EIZO EV2785は約10万円もするのにHDRにも対応しておらず、スペックだけ見ればムダに高いように思えるでしょう。

しかし、それでも私はEIZO EV2785をオススメしたいです。EIZO EV2785の最大の長所は「使っていてストレスが少ないこと」です。写真の現像やWeb系のデザインにもそれなりに耐えうる表示性能、ポジションを自由自在に変えられるスタンド、個人的に最も重要な自動調光など、「ユーザーにどれだけ快適に作業してもらうか」「どうやってユーザーのストレスを最小にするか」ということにフォーカスしているモニターです。

すべての人にEIZO EV2785がベストだとは言いませんが、私のように1日中モニターを見ているのであれば有力な選択肢の1つだと思います。そして、そのモニターを設置する場所が窓のある部屋なのであれば、自動調光機能のあるEIZO EV2785を強くオススメします。