USB-IFが新しいマーケティング名とロゴを発表したので紹介します。
マーケティング名
もともとUSBには
- USB4® Specification Language Usage Guidelines
- USB 3.2 Specification Language Usage Guidelines
というガイドラインが用意されており、消費者向けには以下のマーケティング名 (Marketing Name) を使用するよう推奨されていました。
マーケティング名 | 該当する開発者向け名称 |
---|---|
USB4® 40Gbps | USB4 Gen 3×2 |
USB4® 20Gbps | USB4 Gen 2×2 |
SuperSpeed USB 20Gbps | USB 3.2 Gen 2×2 |
SuperSpeed USB 10Gbps | USB 3.2 Gen 2×1 USB 3.1 Gen 2 |
SuperSpeed USB 5Gbps | USB 3.2 Gen 1×1 USB 3.1 Gen 1 USB 3.0 |
こういったガイドライン・マーケティング名が存在はしていたものの、特にUSB 3.xに関しては「SuperSpeed USB」というマーケティング名ではなく「USB 3.x Gen ○」という開発者向けの名称が消費者向けにも使用される状況が常態化しており、USB 3.xの分かりにくさの一因となっていました。
こうした状況を踏まえて (かどうかは知りませんが) 、USB-IFは「USB4® Specification Language Usage Guidelines」と「USB 3.2 Specification Language Usage Guidelines」を統合した「USB Data Performance Language Usage Guidelines」を新しく公開しました。
USB Data Performance Language Usage Guidelinesでは、以下のマーケティング名を使用することを推奨しています。
マーケティング名 | 該当する開発者向け名称 |
---|---|
USB 40Gbps | USB4 Gen 3×2 |
USB 20Gbps | USB4 Gen 2×2 USB 3.2 Gen 2×2 |
USB 10Gbps | USB 3.2 Gen 2×1 USB 3.1 Gen 2 |
USB 5Gbps | USB 3.2 Gen 1×1 USB 3.1 Gen 1 USB 3.0 |
USB4とUSB 3.xを分けるのをやめ、シンプルに伝送速度のみで分類する方針となったようです。
ロゴ (USB Type-Cケーブル以外)
マーケティング名が統一されたのに伴い、ロゴもUSB4とUSB 3.xで統一されました。
USB4のロゴを引き続き使用し、USB 3.xのロゴをUSB4に寄せた形となります。最大伝送速度が大きく表示されるようになったため、以前と比べてスペックが一目で分かるようになりました。
ちなみにUSB4のロゴは2021年11月に1度変更となっているため、USB 3.xとUSB4の両方がそれまで使用していたロゴを変更したということになります。
USB Type-Cケーブル用ロゴ
USB Type-Cケーブル用のロゴにも変更・追加が入っています。 (ここでのUSB Type-Cケーブルとは、両端がUSB Type-Cコネクターのケーブルを指します)
100Wのロゴが用意されていませんが、これはUSBの仕様に240W (48V/5A) のケーブルが追加された際に、100W (20V/5A) ケーブルがdeprecated (廃止) になっているためです。技術的には今後も100Wケーブルを設計・製造することは可能ですが、USB-IFによるコンプライアンステストは60Wまたは240Wのどちらかのみとなります。
所感
「USB Type-Cケーブルはパッケージから出した時にテプラを貼っておかないと2度とスペックが分からなくなる」なんてことが割と本気で言われてたりしますが、新しいロゴはスペックが全部書いてあるのでテプラはいらなくなりそうです。短期的には混乱するかもしれませんが、長期的にはメリットのほうが大きいでしょう。
本記事で紹介したUSBのロゴは、コンプライアンステストに合格した認定済み製品のみに付与されています。パフォーマンスや安全性が専門の機関でテストされており、なおかつ新しいロゴによってスペックも明確になるため、ケーブルを購入する際はロゴのある認定済み製品を選ぶことをオススメします。