BelkinやAnkerのThunderbolt 4ドックのHDMI出力が途切れる・乱れる不具合を直す方法

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BelkinやAnkerのThunderbolt 4ドックで、HDMIポートの映像出力が途切れる・乱れるといった症状を改善する方法を紹介します。

対象となるドック

この記事の対象となるThunderbolt 4ドックは以下の2機種です。

この2つは異なる製品のように見えますが、見比べてみるとポートの構成や配置、USB PDのワット数といった仕様が完全に一致しており、デザインが違うだけでおそらく中身は同一です。

Belkin CONNECT Pro Thunderbolt 4 Dock 分解 & ミニレビュー
BelkinのCONNECT Pro 12-in-1 Thunderbolt 4 Dockを購入したので分解しました。

当サイトではBelkin CONNECT Pro 12-in-1 Thunderbolt 4 Dock INC006qcSGY (以下、Belkin INC006) で症状が改善することを確認しています。

Anker PowerExpand Elite 12-in-1 Thunderbolt 4 Dock A8397 (以下、Anker A8397) では未確認ですが、この記事で行うのはAnker A8397向けファームウェアアップデートツールに含まれているDisplayPort to HDMI変換チップ (Synaptics VMM5310) のファームウェアアップデートを適用しているだけなので、当然Anker A8397でも症状が改善すると思われます。

必要なもの

この記事の内容を実施するにあたり、「Thunderbolt 3/4またはUSB4に対応しているWindows PC」が必要となります。当サイトではPCのThunderbolt 4ポートに接続して作業を実施しました。

DisplayPort to HDMI変換チップのファームウェアをアップデートするにあたり、そのチップがPCから見えている必要があります。なのでもしかするとDisplayPort Alternate Mode接続でもいけるかもしれませんが、未確認です。ただのUSB接続ではアップデートできないことは確認しており、確実にNGです。

また、ファームウェアアップデーターがWindows用しかないため、OSはWindowsのみとなります。

作業手順

※作業の実施は、すべて自己責任でお願いします。

それでは、実際の作業を説明していきます。

まず、VmmUpdater.zipをダウンロードします。

※このファイルを信用できない場合は、Ankerのサイトで配布されているファームウェアアップデートツールからSynaptics VMM5310のファームウェアアップデーターを取り出してください。Anker A8397のファームウェアアップデートツールは、このページに貼られている「A8397 Anker 777 Thunderbolt Docking Station Firmware.rar」のリンクから入手できます。

次に、ダウンロードしたVmmUpdater.zipを展開し、中に含まれているVmmUpdater.exeを実行します。

上記の画像のようなウィンドウが立ち上がるので、「update firmware」ボタンをクリックし、同梱されている「Panamera_fw_tahini_m1_Ver5_05_207.fullrom」を選択します。

ファームウェアのアップデートが開始されるので、完了するまで待ちます。アップデート完了後は、ドックの電源を入れ直して作業完了です。

「Product IDが一致しない」エラーが出た場合

VmmUpdater.exeでファームウェアアップデートを実行した際に、「Product IDが一致しない」というようなエラーでアップデートに失敗した場合は、以下の操作を行うとアップデートができるようになります。

※私の環境でこのエラーが出たのは、おそらく「HDMIの不具合が解消しないかな〜」と思ってネットに転がってた怪しいファームウェアを焼いたりしていたことが原因なので、通常は起きないと思われます。

まず、https://apps.microsoft.com/detail/9nxxj3q8ss5zからVmmDPToolをダウンロード・インストールします。

VmmDPToolを起動し、「FLASH」タブの「Erase FLASH」を実行します。

Erase FLASHが完了したら、VmmUpdaterで再度アップデートを実行します。今度はアップデートできるはずです。

結果報告募集

作業自体は以上で完了です。

私の環境ではファームウェアアップデート後、4〜5時間連続で使用しても映像出力が途切れる症状が発生しなかったため記事化しました。が、たまたまという可能性もあるので、この記事の内容を試した方は「Anker A8397だけど直りました!」や「Belkin INC006だけど相変わらずHDMI出力ダメです!」など、結果をコメント欄で報告していただけると助かります。

コメント

  1. たか より:

    貴重な情報ありがとうございます。納得できました!
    アップデートしてみました。VMM5310のバージョンが5.05.207になっています。
    INC006qcSGYですが、現象は回復しませんでした。

    Product IDのエラーの際のツールはアップデートされたのか以下のURLのものを利用しました。
    https://www.microsoft.com/store/productId/9PMRBPFTMTMC?ocid=pdpshare
    (文章中のツールはダウンロードできなくてなっていました。

  2. たけたん@物欲 より:

    この記事を見たことがあるのをすっかり忘れて当該製品を購入した阿呆です。
    ファームウェア更新を試みたところ、私が2024年11月のAmazonブラックフライデーで飛びついた個体はビルド212でした。

    改めてHanpenBlogさんの商品レビューの記事を読み返したところ「TBのダウンストリームポートから DP Alt接続で幸せ」という記載があったので、これで回避します。現状、ケーブルの問題か音声出力していませんが……
    https://hanpenblog.com/18372

    #USB-C系のDockはこれで3製品目てすが、毎度HDMIやEthernetには泣かされます。
    #やはり、USB-C系Dock製品のHDMI出力は鬼門ですね……