BelkinのCONNECT Pro 12-in-1 Thunderbolt 4 Dockを購入したので分解しました。
今回分解した製品
今回分解したのはコイツです。
ポートの構成や位置がまるっきり同じなので、おそらくAnkerのPowerExpand Elite 12-in-1 Thunderbolt 4 Dock (A8397) も中身は同一です。
分解
パッケージ・外観
分解
ゴム足の下にネジが隠れているのでゴム足を剥がします。
円筒形のアルミボディにプラスチックのパネルが爪で固定されている構造なので、底面のネジを外しただけでは内部に到達できません。
どうにかこうにか “こじって” パネルの爪を外す必要がありますが、いい感じの隙間などはないので、無傷で分解するのは不可能です。
背面は背面で爪で固定されているので、前面パネルと同じく半分壊すつもりで爪を外していくとやっと中身が取り出せます。
背面側のパネルは基板等を乗せる土台も兼ねた構造になっています。
基板をチェック
- 表面
- Intel JHL8440
- Thunderbolt 4 controller
- Infenion CYPD5235-96BZXI
- USB Type-C controller (for TBT4 port)
- Synaptics VMM5310BJG
- DisplayPort MST splitter / DP 1.4 to HDMI 2.0b converter
- Parade FL5801
- USB 2.0 port expander
- Infenion CYPD3175
- USB Type-C controller (for front USB 3.1 Type-C port)
- Realtek ALC4032
- USB to analog audio converter
- Infenion CYUSB4357-BZXCES
- USB 10Gbps Type-C hub controller
- Intel JHL8440
- 裏面
- Genesis Logic GL3232S
- USB 3.1 Gen 1 to SD 4.0 memory card reader controller
- Realtek RTL8153B
- USB 3.0 to Gigabit ethernet converter
- Genesis Logic GL3232S
基板裏面にPRIMAXのロゴがあるので、ODM元はPRIMAXのようです。
HDMI周りの不具合の話
Belkin CONNECT Pro 12-in-1 Thunderbolt 4 Dockや、中身が同じと考えられるAnker PowerExpand Elite 12-in-1 Thunderbolt 4 Dockのレビューを漁ってみると、HDMIポートでの映像出力に関する不具合を訴えている人が相当数見つかります。
- Belkin
- https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R1H0BQTR90FOG5/
- https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R3VJBCTY1S06BS/
- https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R6ZKFMK6KK54D/
- https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R17WYIOMLOWEMP/
- https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R3K411O7G492QK/
- https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R3EYQIWZV2QNXD/
- https://www.amazon.com/gp/customer-reviews/R2F7VLE8VKNGDG/
- https://www.amazon.com/gp/customer-reviews/R2DWC1FE65S4Y/
- Anker
- https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/RPZ9PSCDL9LD9/
- https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R2F0OO9Q8OKZOE/
- https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R3SNLKENYK5GBI/
- https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R79W1A54V5XLW/
- https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R13PC9N3OUYKTW/
- https://www.amazon.com/gp/customer-reviews/R2FVVWC4QGT92M/
- https://www.amazon.com/gp/customer-reviews/R35IMT3KOWXM4C/
- https://www.amazon.com/gp/customer-reviews/R1ZYUYED7AXTSY/
- https://www.amazon.com/gp/customer-reviews/R3293H2GMX7CCM/
- https://www.amazon.com/gp/customer-reviews/R298K6C3MDFQFF/
- https://www.amazon.com/gp/customer-reviews/R16JP7LQX4KG3C/
どんな製品にも訳分からんいちゃもんいわゆる「おま環」の不具合報告はあるものですが、これらのThunderbolt 4ドックに関してはHDMI周りの不具合報告が突出して多く、製品として何らかの欠陥を抱えているのはほぼ間違いないと考えられます。不具合の内容としては、HDMIで接続しているモニターの表示が数秒ブラックアウトしたり、そもそも表示されないといった症状のようです。
かくいう私が所有している個体 (この記事でバラしたやつ) もこの不具合が発生していて、具体的には以下のような症状が起きています。
- 4kモニター (EIZO EV2785) を4k 60HzでHDMI接続していると数秒ブラックアウトする
- 4k 30Hzに落とすと起きなくなる
- 2つのHDMIポートの両方で起きる
- もう1つのHDMIポートに別のモニターを接続していても、接続していなくても起きる
- Thunderbolt 4ダウンストリームポートからDisplayPort Alt Modeでモニターへ接続した場合は4k 60Hzでもブラックアウトしない
4k 30Hzにすると起きなくなるという点から、ノイズなどの影響で実効データ転送レートが4k 60Hzの映像データ量に対して不足しているのかな〜とか考え、ダメ元でUltra High Speed HDMIケーブル (HDMI 2.1ケーブル) を使ってみたりしたものの、特に改善しませんでした。
2つのHDMIポートの両方で発生するため、Thunderbolt 4コントローラー Intel JHL8440からDisplayPortのデータがMSTで出力され、Synaptics VMM5310BJGが2画面に分割かつHDMIに変換、HDMIポートからデータ出力されるまでの間のどこかに原因がありそうですが、すべて基板上で起きる話なので、ユーザーができることは何もなさそうです。
所感
ということでBelkinのThunderbolt 4ドックを分解した話でした。
分解したのはオマケみたいなもので、記事の趣旨としてはHDMI周りの不具合の注意喚起のほうがメインです。HDMI周りの不具合報告が山ほどあるので、Belkin CONNECT Pro 12-in-1 Thunderbolt 4 Dockや、中身が同じと考えられるAnker PowerExpand Elite 12-in-1 Thunderbolt 4 Dockはオススメしません。既に使っている人はともかく、今から新しくThunderbolt 4ドックを買う人は、何でもいいのでBelkin/Anker 12 in 1 Thunderbolt 4 Dock以外の、別の製品を選んだほうが無難だと思います。