【規格不適合・危険】AUKEY USB Type-C充電器 PA-Y2 レビュー

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AUKEYのUSB Type-C充電器 (型番:PA-Y2)を購入しましたので、レビューを行います。

対象の製品

クイックレビュー

下記の3点についてUSB Type-Cの規格に適合しておらず、正しく使用した場合でも接続した機器を破損させる恐れがあります。

まだ購入していない方は他社製品の購入を、既に購入してしまった方は返品または廃棄することを推奨します。

テスト項目

  • Vbus Hot: Yes
  • Bridged CCs: Yes
  • Quick Charge: Yes (3.0)
  • 過電流保護: No
  • Apple 12W: Yes

テストに使用した機器

  • メディアロジック USB Power Delivery アナライザ DTW2U3 『PDワットみるC』 (製品ページ)
  • 横河メータ&インスツルメンツ ディジタルマルチメータ 732-03 (製品ページ)
  • Apple USB-C充電ケーブル (型番:MLL82AM/A)
  • Google USB Type-C to Type-C ケーブル (型番:不明 | 製造番号:不明 | 22.5W充電器の付属品)
  • その他、電子負荷やQCトリガーボード、Type-Cブレークアウトボードなど
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開封・製品画像

  • Model: PA-Y2
  • Input: 100-240V 50/60Hz 1.2A Max
  • Output1: 5V=2.4A
  • Output2: 3.6V-6.5V=3A / 6.5V-9V=2A / 9V-12V=1.5A (Max)
  • PSE: SQグローバル株式会社
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Vbus Hot

PA-Y2はCC1・CC2の両方がHigh状態であるにも関わらずVbusに電圧を印加している、Vbus Hotな充電器です。

USB Type-Cの規格では、Type-Cレセプタクルを搭載するSource機器はCC1・CC2のいずれかでSinkの接続を検出してからVbusに電圧を印加するよう定めており、PA-Y2のこの挙動はUSB Type-Cの規格から外れるものです。

PDワットみるCのLEDはVbusに電圧が印加されている場合にのみ点灯するため、この写真よりVbus Hotであることがわかります。

CC1、CC2の両方がHigh状態であるにも関わらず、Vbusに約5Vが印加されていました。

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Bridged CCs

PA-Y2はCC1・CC2の両方が1つのRpでプルアップされているBridged CCsです。

USB Type-Cの規格ではCC1・CC2をそれぞれプルアップすることが規定されており、PA-Y2のこの設計はUSB Type-Cの規格から外れるものです。

eMarkerが搭載されているAppleのUSB PD 5Aケーブル(MLL82AM/A)を接続しています。

CC1・CC2が1つのRpでプルアップされているため、E-Markedケーブルを接続するとその両方がLow状態となります。

Bridged CCsでは以下の2つの問題が発生します。

上記のようにeMarker搭載ケーブルを接続した場合では、CC1・CC2の両方がLow状態となるため、Type-Cの規格で定められているSinkのアタッチ・デタッチを検出することができません。(PA-Y2はVbus Hotなのでそんなことお構いなしにVbusに電圧を印加しますが)

加えて、Bridged CCsな充電器とeMarker搭載のケーブルを組み合わせて使用した場合、接続した機器によっては「USB-Cヘッドホンが接続された」と認識する可能性があります。そのような場合、正常に充電できなかったり、思わぬ事態を招く恐れがあります。

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Quick Charge over Type-C

PA-Y2のType-CポートはQualcommのQuick Charge 3.0に対応していますが、USB Type-CはUSBが定める方法以外でVbusの電圧を既定値以外に変動させることを禁止しているため、この設計はUSB Type-Cの規格に違反しています。

USB Type-C Specs Rev 1.2, Sec 4.8.2

電子負荷やQuick Charge 2.0/3.0をエミュレーションできる特殊な装置を使用してQuick Charge時のPA-Y2のCC1・CC2の電圧を調べたところ、約12Vが印加されていました。

電子負荷に表示されているのがVbusで、テスターに表示されているのがCCの電圧です。

このような充電器でQuick Chrage対応スマートフォンを充電した場合、ケーブルのVconnには約12Vが印加されることとなります。

しかしながら、Vconnの電圧はUSB Type-Cの規格で最大5.5Vと定められているため、この状態は明確にUSB Type-Cの規格に違反しています。

USB Type-C Specs Rev 1.2, Sec 4.4.3

そのため、PA-Y2のような充電器とE-Markedケーブルを組み合わせてQuick Chargeに使用した場合、eMarkerに設計以上の電圧が掛かり、搭載されているeMarkerが破壊される恐れがあります。

その他

Over Load Protection

ACアダプタには規定以上の負荷が掛かった際にシャットダウンする保護回路が実装されていることが望ましいですが、AUKEY PA-Y2にそのような機能は実装されていません。

Quick Charge 3.0が実装されているせいか、18W程度までは約5Vを維持していました。

Apple 12W

PA-Y2のType-CポートはApple独自の12W給電をサポートしています。

写真はD+のものですが、D-も約2.7Vが印加されていました。

所感

Quick Charge 3.0が実装されたAポートをただType-Cに付け替えただけという、非常にお粗末な設計です。(一応CC1・CC2が規格に適合しない形でプルアップされてはいますが……)

まさに “金をドブに捨てる” という典型例で、「こんなゴミ、タダでもいらん」という感じです。

※当ブログのUSB Type-C関連記事がお役に立ちましたら、hanpenblog[a]gmail.com宛に100円ぐらいAmazonギフト券を送って下さるとやる気とType-C製品の購入資金に繋がります。

参考

AUEKY PA-Y6 review – Nathan K.
https://plus.google.com/102612254593917101378/posts/RPENZkRMsEj