Innergie C6 Duo レビュー:自動で出力をいい感じに配分してくれる充電器

USB PD対応の2ポートUSB Type-C ACアダプター「Innergie C6 Duo」を入手したのでレビューします。

本レビューで使用しているInnergie C6 Duoは、販売元であるデルタ電子(株)からレビュー用に無償提供されたサンプル品です。

製品サンプル以外の金品・金銭の授受はありません。また、レビュー内容に関してデルタ電子(株)は一切関与しておらず、レビュー公開前の事前チェックや修正指示などは行われていません。

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Innergieって知ってる?

みなさん「Innergie」ってご存知ですか?

正直なところ、今はまだそこまで知名度は高くないのでInnergieというブランド名を初めて聞いたという人も多いかと思いますが、InnergieはDelta Electronics (以下Delta) がコンシューマー向けに展開している充電器ブランドです。

Deltaは世界トップクラスの電源装置メーカーであり、Deltaの電源はAppleやDell、Lenovo、HP、任天堂といった世界の名だたるメーカーに採用されています。特にノートPC用ACアダプターで高いシェアを獲得しており、おそらく誰もが1度はDeltaの電源を使ったことがあるだろうというぐらい、非常に高いシェアを誇っています。 (私も確認してみたところ、昔買ったThinkPad付属のACアダプターとGoogleブランドのACアダプターがDelta製でした。)


そんな世界屈指の電源装置メーカーであるDeltaが出したUSB Type-C x 2ポートのACアダプターが、今回レビューする「Innergie C6 Duo」です。Innergie C6 Duoは1ポート単独使用時に最大60Wの電力を、2ポート同時使用時には合計で最大63Wの電力を供給をすることが可能です。

Innergie C6 Duoが他のACアダプターとちょっと違うのが「スマートな電流配分」が謳われている点です。複数のUSB Type-Cポートを備えているACアダプターは、USBポートを同時使用した場合に「USB-C1ポートは最大45W、USB-C2ポートは最大18W」という風に、ポートごとの出力が固定されるものが多いです。これに対してInnergie C6 DuoはUSB-C1とUSB-C2の区別がなく、「45W + 18W」「30W + 30W」「18W + 45W」という風に、接続されたデバイスに応じてスマートに電力を配分してくれるようになっています。

複数ポートを備えているACアダプターは「45Wポートかな? 18Wポートかな?」ということを気にしなければならないのが地味に面倒でしたが、Innergie C6 Duoはその必要がなく、その点において1歩進んだACアダプターとなっています。

開封

ケーブルは付属してこないため、別途自分で用意する必要があります。

私は以下のケーブルをよく使っています。USB PD 60W対応のUSB-IF Certifiedケーブルです。

Innergie / A brand of Delta
AC/DC adapter
Model: ADP-63AW B
Input: 100-240V〜1.6A 50-60Hz
Single Output: 5.0/9.0/12.0/15.0/20.0V ⎓ 3.0/3.0/3.0/3.0/3.0A, 15.0W / 60.0W max (PPS 5.0-11.0V ⎓ 3.0A)
Dual Output: 5.0/9.0/12.0/15.0/20.0V ⎓ 3.0/3.0/3.0/3.0/2.25A + 5.0/9.0V ⎓ 3.0/2.0A, 30.0W / 63.0W max
or 5.0/9.0/12.0/15.0/20.0V ⎓ 3.0/3.0/2.5/2.0/1.5A + 5.0/9.0/12.0/15.0/20.0V ⎓ 3.0/3.0/2.5/2.0/1.5A, 30.0W / 60.0W max
制造商: 台达电子工业股份有限公司
Made in China
PSEマーク: ひし形 / TÜV RT / デルタ電子株式会社
Rev.: 00

外観・サイズ

前面にUSB Type-Cポートを2つ備え、後面にコンセントプラグがあるというオーソドックスな構造になっています。コンセントプラグは折りたたみ可能なので、持ち運び時にも邪魔になりません。

寸法は、高さが4.7cm、幅が3.0cm、奥行きが5.6cmです。 (プラグ折りたたみ時)


数字で言われてもイメージしにくいと思うので、他の製品と並べてみました。左から、Apple 30W USB-C電源アダプタ、Innergie C6 Duo、Anker PowerPort III 65W Podです。

これらのACアダプターは細かい寸法は異なるものの、最終的な体積は概ね同じです。

Apple 30Wと同等の体積ながら出力が30W → 60Wと2倍になっているのは言うに及ばず、USB Type-Cポートが1つのみのAnker 65Wとも同等の体積に収まっています。複数ポートを備えているACアダプターは内部のパーツが1ポートのみの製品よりも多いため本体サイズも大きい傾向にありますが、Innergie C6 Duoは2ポートながらAnker 65Wと同等の体積に収めており、コンパクトさが際立ちます。


外観周りで1つ特筆しておきたいのが、外装のクオリティの高さです。外装の工作精度や品質管理という点で、Innergie C6 Duoは今まで使ったACアダプターの中で恐らくベストです。

過去にレビューしたACアダプターの中には、製品自体が明らかにちゃちかったり、USB Type-Cコネクターが曲がっている・ズレているなど品質管理ができておらず、「えっ、これでn千円!?」と思ってしまうようなものがありました。Innergie C6 Duoはそのような低品質な製品とは一線を画しており、ACアダプターとしては非常に精巧に製造されています。もちろんコネクターが曲がっているようなこともありません。

Deltaの顧客には世界的なメーカーが名を連ねているため、それ相応の品質管理体制が構築されているものと推測されます。Innergie C6 Duoはノーブランド品と比べるとやや高めの値段設定がされていますが、無意味に高いわけではなく、値段差の分はちゃんと製品に反映されているという印象です。

重量

重量は140gでした。 (公称140g)

手に持つと、サイズが小型な分、密度が高いためか、多少重量感を感じます。2ポート分のパーツが中に詰まっていると考えれば仕方ないかなといったところです。

 
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対応している急速充電規格を確認

AVHzY CT-3を使って、Innergie C6 Duoが対応している急速充電規格を確認しました。

AVHzY CT-3 (Shizuku) レビュー
対応している急速充電規格を検出したり、USB PD PDOの表示を行うことのできるAVHzY CT-3 (Shizuku) を購入したので、機能や使い勝手などを簡単にレビューします。

※対応している急速充電規格やUSB PDの出力は2つのポートどちらも同じです。

AVHzY CT-3によると、対応している急速充電規格はUSB BC DCP (とUSB PD) だけのようです。

USB Type-Cの仕様はUSB系以外の充電規格を禁止しているため、Innergie C6 Duoのこの実装はUSB Type-Cの仕様に準拠しているものです。ただし、Xperia XZやNextbit RobinといったUSB PD非対応のUSB Type-Cデバイスを充電する場合はQuick Charge規格で充電する場合よりも充電時間が長くなってしまうため、一長一短ではあります。


対応しているUSB PDの出力は以下の通りです。 (60W出力時)

  • 5.0V⎓3.0A (Fixed)
  • 9.0V⎓3.0A (Fixed)
  • 12.0V⎓3.0A (Fixed)
  • 15.0V⎓3.0A (Fixed)
  • 20.0V⎓3.0A (Fixed)
  • 5.0-11.0V⎓3.0A (PPS)

複数ポートを同時使用していて45W, 30W, 18Wに制限されている場合の詳細は後述します。

いろいろ充電してみた (1ポートのみ)

Galaxy S20 FE

Super Fast Charging (25W) 対応のGalaxy S20 FEを充電したところ、5.0V-11.0V⎓3.0AでUSB PDのネゴシエーションが行われ、約25Wが供給されていました。

Redmi K20 Pro

Quick Charge 4+対応のRedmi K20 Proを充電したところ、 5.0V-11.0V⎓3.0AでUSB PDのネゴシエーションが行われ、約23Wが供給されていました。

iPhone XR

iPhone XRを充電したところ、9.0V⎓3.0AでUSB PDのネゴシエーションが行われ、約16Wが供給されていました。

Nextbit Robin

USB PD非対応、Quick Charge 2.0対応のNextbit Robinを充電したところ、約10Wが供給されていました。

iPad Pro 11 (2021)

iPad Pro 11 (2021) を充電したところ、15.0⎓3.0AでUSB PDのネゴシエーションが行われ、約27Wが供給されていました。

iPad Air 2

iPad Air 2を充電したところ、約15Wが供給されていました。

MacBook Air (M1, 2020)

MacBook Air (M1, 2020) を充電したところ、20.0V⎓2.4AでUSB PDのネゴシエーションが行われ、約47Wが供給されていました。

ThinkPad Yoga 370

ThinkPad Yoga 370を充電したところ、20.0V⎓3.0AでUSB PDのネゴシエーションが行われ、約53Wが供給されていました。

Nintendo Switch (2019)

Nintendo Switch (2019) を充電したところ、15.0V⎓3.0AでUSB PDのネゴシエーションが行われ、約13Wが供給されていました。

1ポートのみを使用している状態であればTVモード動作も可能です。

ただし、もう片方のポートでデバイスの着脱が発生した場合はTVモードが無効となり、片方のポートでSwitchをTVモードで動作させながら、もう片方のポートでスマホを充電したりすることはできないため、わざわざInnergie C6 Duoを使うメリットはありません。

(分かってる人向けに説明すると、もう片方のポートで挿抜が発生すると出力が変化する影響でSource_Capabilitiesメッセージが再送信されて、いわゆるSplit PDOな挙動となるため、Switch側の仕様によりTVモードが有効になりません。Nintendo SwitchのTVモード時のSplit PDO関係の挙動はこの記事の補足2でもう少し詳しく説明しています。)

いろいろ充電してみた (2ポート同時)

今までは1台のみを充電した場合の挙動を確認しましたが、次は2台同時に充電した場合の挙動を確認します。

レビューの冒頭でも書きましたが、Innergie C6 Duoは2つのUSB Type-Cポートの区別がなく、どちらに接続してもスマートに電力を配分してくれるという仕様になっています。

とはいえ、「スマートに電力を配分」と言われてもイマイチピンとこないと思うので、もう少しちゃんと仕様を調べました。

Innergie C6 Duoが対応している電力の配分は以下の5通りです。

使用パターンポート1ポート2
① (1ポートのみ)60W
② (2ポート同時)18W45W
③ (2ポート同時)30W30W
④ (2ポート同時)45W18W
⑤ (1ポートのみ)60W

1ポートのみ使用している状態ではそのポートから最大60Wの出力が可能で、2ポート同時に使用している場合は、接続されているデバイスやもう片方のポートの状況によって、供給できる電力が18W・30W・45Wの3パターンに制御されます。

最大出力が60Wの場合、5.0V⎓3.0A, 9.0V⎓3.0A, 12.0V⎓3.0A, 15.0V⎓3.0A, 20.0V⎓3.0A, 5.0-11.0V⎓3.0Aの出力に対応します。

最大出力が45Wの場合、5.0V⎓3.0A, 9.0V⎓3.0A, 12.0V⎓3.0A, 15.0V⎓3.0A, 20.0V⎓2.25A, 5.0-11.0V⎓3.0Aの出力に対応します。

最大出力が30Wの場合、5.0V⎓3.0A, 9.0V⎓3.0A, 12.0V⎓2.5A, 15.0V⎓2.0A, 20.0V⎓1.5A, 5.0-11.0V⎓3.0Aの出力に対応します。

最大出力が18Wの場合、5.0V⎓3.0A, 9.0V⎓2.0A, 12.0V⎓1.5A, 15.0V⎓1.2A, 20.0V⎓0.9A, 5.0-11.0V⎓2.0Aの出力に対応します。

ThinkPad Yoga 370 + Galaxy S20 FE

まず試したのはノートPC + スマホの組み合わせです。この場合では45W + 18Wで配分されました。

iPad Pro 11 (2021) + iPhone XR

次はiPad + iPhoneです。この場合も45W + 18Wで配分されました。

ThinkPad Yoga 370 + iPad Pro 11 (2021)

次はノートPC + iPadです。この場合も45W + 18Wで配分されました。

Galaxy S20 FE + Redmi K20 Pro

次はスマホ + スマホです。この場合は30W + 30Wで配分されました。

MacBook Air (M1, 2020) + ThinkPad Yoga 370

最後はノートPC + ノートPCです。この場合では45W + 18Wで配分されました。

本来であれば30W + 30Wに配分されることが期待されますが、接続する順番や2台のノートPCの仕様が関わってくるため、期待通りに配分されない場合があります。この写真の場合では、MacBookを先に接続し、その後ThinkPadを接続したのですが、この順番で接続するとThinkPadに対してはまず最大18WのUSB PDの出力が通知されます。ここでThinkPadが20Vをリクエストしていれば30W + 30Wに配分し直されたはずですが、実際には9Vをリクエストしているため、45W + 18Wのままとなっています。ACアダプターの立場で考えてみると、9Vがリクエストされるというのはスマホが接続された場合と同じような状況のため、45W + 18Wのまま配分し直さないのは順当な動作です。こういった理由により、最終的にMacBook Airには45W、ThinkPad Yoga 370には18Wが配分されるという結果になっています。

この辺の動作はノートPCの機種によっても異なるので、30W + 30Wに配分される場合もあれば、45W + 18Wになる場合もあるでしょう。接続順によっても変わってくるため、どのように電力が配分されるかはケースバイケースとなります。

過電流保護機能・発熱をチェック

Innergie C6には過電流保護機能が実装されており、1ポートのみ使用している状態では5.0V, 9.0V, 12.0V, 15.0V, 20.0Vの各電圧で約3.5Aを超えると出力がシャットダウンされました。

発熱に関しては標準的な部類です。放射温度計などは持っていないのであくまで体感ですが、60Wマックスで2時間負荷を掛け続けて「熱さは感じるがやけどするほどではない」程度の発熱だったため、恐らく60℃程度かと思われます。ノートPCに付属してくる純正品でもこの程度は普通に発熱するため、問題になるレベルではないでしょう。

まとめ:どちらのポートか意識しなくていいのが楽

Innergie C6 Duoを使って思ったのが「USB-C1ポートとUSB-C2ポートを区別しなくていいのは楽」ということです。USB Type-Cポートが複数あるタイプのACアダプターはどうしてもこの辺が面倒でしたが、Innegie C6 Duoではこの問題が解決されているため、面倒さがかなり軽減されています。

何も考えずにとりあえず接続しておけばいい感じに電力を配分して急速充電してくれるので、「どっちが高出力のポートでどっちが低出力のポートか区別して使うの面倒なんだよな〜」という人にオススメのACアダプターです。

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