【規格適合】Anker PowerPort+ 5 USB-C レビュー

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AnkerブランドのUSB PD 30W対応5ポートACアダプタであるPowerPort+ 5 USB-C with Power Delivery (型番:A2053511)を購入しましたので、レビューを行います。

対象の製品

クイックレビュー

USB Type-C/USB PDの規格に恐らく適合しているACアダプタです。

USB Type-CポートとUSB Standard-Aポートの両方を備えているため、MacBookとiPhoneとApple Watchを同時に1つのACアダプタで充電したい方などにオススメです。

テスト項目

  • USB PD: Yes [Good] (30W)
  • Split PDO: No [Good]
  • USB BC DCP: Yes [Good]
  • Apple 12W :No
  • 過電流防止回路: Yes [Good]
  • Vbus Hot: No [Good]
  • Bridged CCs: No [Good]

使用機器

  • メディアロジック USB Power Delivery アナライザ DTW2U3 『PDワットみるC』 (製品ページ / Amazon)
  • 横河メータ&インスツルメンツ ディジタルマルチメータ 732-03 (製品ページ / Amazon)
  • Apple USB-C充電ケーブル (型番:MLL82AM/A)
  • Apple USB-C – Lightningケーブル (型番:MK0X2AM/A)
  • Google USB Type-C to Type-C ケーブル (型番:不明 | 製造番号:不明 | 22.5W ACアダプタの付属品)
  • その他、電子負荷やType-Cブレークアウトボードなど
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製品の改修について

Anker A2053511のUSB Type-Cポートは『30W出力のはずなのに45W出力と認識される』というのが半ば公然の秘密となっていましたが、Ankerは密かにこれを改修したようです。

Amazonのレビューを見ると、2017年7月下旬までは『45W出力と認識された』という旨のものが投稿されています。(レビュー1 / レビュー2)

ところが2017年9月になってからは、『30W出力と認識された』という旨のレビューが複数投稿されています。(レビュー1 / レビュー2)

調べてみると、Anker A2053511は8月中旬に販売が1度ストップしており、その後8月31日から販売が再開されていたことが分かりました。上記のレビューが投稿された日時なども考慮すると、8月の販売休止の前後でロットが異なっており、その時点で新仕様の改修品に切り替わったものと推測されます。

Ankerの対応

今回の改修は『あるべき仕様に戻った』という意味では歓迎すべきものですが、Ankerの対応は褒められたものではありません。

まず第一に、Ankerから何のアナウンスもありません。設計不良品を売っていたわけですから、『希望者には改修後の良品と交換します』ぐらいのアナウンスはあって然るべきでしょう。

第二に、改修前後の製品を区別する手段がありません。今回のA2053511は改修前後で同じ型番が使われており、それに加えてAnkerから何のアナウンスもないため、シリアルナンバー等で区別することすらできません。このような状況で、どうやって消費者は改修前後の製品を区別すればよいのでしょうか。(上記の販売時期からの推定はあくまで予想であり、完璧な区別ではない)

第三に、改修前と同じページで販売が続けられています。USB PDの出力通知が45Wから30Wに修正されているため、一部の機種では充電の可否が変わってきます。そのため、『充電できるというレビューがあったから買ったのに、いざ試してみたら充電できない』といった事態が今後発生すると思われます。

製品の交換

改修前のA2053511をお持ちの方は、Ankerに返品や交換を要求する権利があります。最大30W出力を謳っていながら実際に受け取ったのは45Wを通知する不良品だったわけですから、製品の現状に関わらず返品や交換を要求できるはずです。(Ankerの保証的に、という話です。法律的にどうかは知りません)

18ヶ月の保証(製品に問題があった場合)

ご購入日から18ヶ月の間、製品に不具合が生じた場合は、代替品あるいは返金の対応を致します(ただし、説明書の通りに製品をご使用いただいた場合に限ります)。

AnkerDirect

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開封・製品外観

話が大幅に脱線しましたが、レビューに戻ります。なお、このレビューに使用した個体は2017年9月に購入した改修後のA2053511です。

  • PowerPort+ 5 USB-C with Power Delivery
  • USB-C PD USB急速充電器
  • Model/型番: A2053
  • Input/入力: 100-240V ~1.7A 50-60Hz
  • USB PD Output/出力: 5V==3A / 9V==3A / 15V==2A / 20V==1.5A
  • PowerIQ Output/出力: 5V==6A (2.4A max each port)
  • Anker Technology Co. Limited
  • Made in China
  • PSEマーク: あり (ひし形 / TÜV SÜD PSB / アンカー・ジャパン株式会社)
  • SN: FZ7354BN
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USB PD

Source_Capabilitesメッセージ

A2053511のUSB Type-Cポートは、製品外装に記載されている出力と完全に合致する内容のSource_CapabilitesメッセージをSink(接続している機器)に対して送信していました。

Mi Notebook Air 12.5 (2016)と接続した場合

A2053511とMi Notebook Air 12.5 (2016)を接続した場合、充電は行われません。これはMNA 12.5の仕様によるものであり、どちらかの不具合というわけではありません。(MNA 12.5の純正ACアダプタは最大45W出力)

その際のUSB PDの通信を確認したところ、以下のネゴシエーションが行われていました。

  1. A2053511が5V/3A、9V/3A、15V/2A、20V/1.5Aの4つの出力を通知
  2. MNA 12.5が5V/0.9Aをリクエスト
  3. A2053511がそのリクエストを了承し、Vbusに5Vを印加

HTC 10を接続した場合

A2053511とHTC 10を接続したところ、5V/3Aでネゴシエーションが行われ、問題なく充電が行われました。

Split PDO

A2053511は最初から5V/3A、9V/3A、15V/2A、20V/1.5Aという4つのFixed Supply PDOを持つSource_Capabilitiesメッセージを送信しており、ネゴシエーション後に別のPDOが追加されたSource_Capabilitesメッセージを送信するようなことはなかったため、Split PDOではないと考えられます。

改修前のA2053はSplit PDOだったことが報告されていますが、改修に伴って修正されたようです。(改修前は1回目に5V/3A、9V/3A、15V/3Aを送信し、ネゴシエーション後に5V/3A、9V/3A/、15V/3A、20V/2.25Aを送信していた)

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USB BC DCP/Apple 12W

USB BC DCP

A2053511のUSB Type-CポートはUSB BC DCPをサポートしています。

そのため、MicroUSB機器や、高速充電(USB PD)に対応していないiPhone/iPadでも問題なく充電を行うことができます。

Apple 12W

A2053511のUSB Type-CポートはApple独自の12W給電に対応していません。

過電流防止機構

A2053511のUSB Type-Cポートは過電流を防止する機能が備えられており、5V時では約3.8A(約19W)で出力がシャットダウンされました。

その他

Vbus

A2053511のUSB Type-CポートはUSB Type-C/USB PDの規格通り、CCでSinkの接続を検出するまでVbusに電圧を印加しません。

Configuration Channel

A2053511ののUSB Type-CポートのCC1/CC2は規格通りそれぞれが別個のRpでプルアップされています。

所感

5ポートも使うほどデバイスを持っていないので個人的には無用の長物ですが、刺さる人には刺さる製品だと思います。

冒頭にも書きましたが、A2053511であれば充電方法が異なる『MacBookとiPhoneとApple Watch』といった組み合わせでもまとめて充電することが可能です。『出張時の荷物を減らしたい』といった需要は少なからずあると思うので、そういった方面には特に刺さる製品なのではないでしょうか。

※当ブログのUSB Type-C関連記事がお役に立ちましたら、hanpenblog[a]gmail.com宛に100円ぐらいAmazonギフト券を送って下さるとやる気とType-C製品の購入資金に繋がります。