OnePlus 7を購入したので、USB Type-Cポートの仕様を調べてみました。
※ OnePlus 7 GM1900 (Android 10 / OxygenOS 10.0.1.GM57AA / QKQ1.190716.003)
充電
Quick Charge
OnePlus 7をQuick Charge 3.0に対応しているUSB-A ACアダプターで充電したところ、約7.5W (5V/1.5A) が供給されていました。 (恐らくUSB BC DCP 1.2)
USB Type-C Current 3A
USB PD非対応・USB Type-C Current 3A対応のGoogle ADP-23AWで充電したところ、約10W (5V/2A) が供給されていました。
USB PD
USB PD 60Wに対応しているAnker A2015113に接続したところ、5V/3AでUSB PDのネゴシエーションが行われ、約15W (5V/3A) が供給されていました。
ただし15Wに達していたのは「画面オフ時のみ」で、画面オンの状態では最大でも10W (5V/2A) 止まりでした。 (画面をオフにすると15Wに戻る)
OnePlus Fast Charge (Dash Charge)
OnePlus 7に付属してきたACアダプター・ケーブルを使って充電したところ、約15W (4.3V/3.3A程度) が供給されていました。
USB PDでは画面オン時に10W (5V/2A) まで電力が低下していましたが、OnePlus Fast Chargeでは画面オン状態でも15Wを維持していました。
充電時間
充電規格 | 0 min | 10 min | 20 min | 30 min | 40 min | 50 min | 60 min | 90 min |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
OnePlus Fast Charge | 1 % | 17 % | 32 % | 47 % | 64 % | 78 % | 86 % | 100 % |
USB PD | 1 % | 17% | 32 % | 44 % | 59 % | 72 % | 83 % | 100 % |
OnePlus Fast Charge、USB PDそれぞれの充電に掛かる時間を測定してみたところ、どちらもほぼ同じ充電時間という結果となりました。 (どちらも約15Wで充電されるので当然といえば当然)
電力供給
Source_Capabilities
OnePlus 7の送信するSource_Capabilitiesメッセージは「5V/1.5A (Fixed)」です。
負荷を掛けてみた
OnePlus 7のUSB Type-Cポートに電子負荷を接続して負荷を掛けてみたところ、1Aを超えたあたりから電圧が下がり始め、最終的に約5V/1.3Aで出力がシャットダウンされました。5V/1.5Aは出力できません。
スマホに5V/1.5Aも消費するようなデバイスを接続することはそうそうないので、現実的には5V/1.5Aを出力できないからといってトラブルの原因になる可能性は低いと思います。しかし、出力できないのであれば5V/0.9Aなど適切な数値をSource_Capabilitesメッセージで通知するようにすべきです。
イヤホンジャック変換アダプター
OnePlus 7はアナログ型 (AAAM) ・DAC内蔵型両方の変換アダプターに対応しており、どちらを使用してもイヤホンから音楽が再生されました。 (普通の3極イヤホンで確認)
DisplayPort Alternate Mode
OnePlus 7にHDMI出力付きUSB Type-Cハブ (Xiaomi ZJQ01TM) を接続したところ、OnePlus 7に表示されているコンテンツが外部ディスプレイへミラーリングされました。 (DisplayPort Alt Mode)
ただし、19.5:9の画面をそのままミラーリングするため、16:9のコンテンツを表示してミラーリングすると上の写真のように巨大な黒枠が出現します。
「OTGストレージ」オプションについて
筆者が確認している範囲だとOnePlus 6まではシステム設定の「OTGストレージ」オプションのオン・オフによってUSB Type-Cポートの挙動が変化していましたが、OnePlus 7では「OTGストレージ」がオンでもオフでもUSB Type-Cポートの挙動に変化はありませんでした。オフの状態でもUSB外部ストレージの読み書きが可能です。
所感
Galaxy S9などと比べると所々ツメが甘いなーという部分があるにはありますが、去年のOnePlus 6から比較するとマトモと言える実装です。Source_Capabilitiesメッセージ通りの5V/1.5Aを出力できなかった点は残念ですが、普通に使っている分には変な挙動に出くわすことは無いと思います。
特に、USB PDに対応したACアダプターであれば5V/3Aで充電されるようになったメリットは大きいです。専用ACアダプター・ケーブルでなくとも十分な充電速度を確保できるため、従来のようにOnePlusスマホのためだけに専用ACアダプター・ケーブルを用意する必要がありません。理想を言えばOnePlus Fast ChargeもSamsung Super Fast ChargingのようにUSB PDの仕様内で動作するようになってほしいですが、5V/3Aで充電できるようになっただけでも今は良しとしましょう。
また、性能面でもUSB 3.1 Gen 1やDisplayPort Alternate Modeにも対応したため、その点についても他社フラグシップモデルと遜色がなくなりました。OnePlusのスマートフォンは毎年値上がりしている割にずっとUSB 2.0・USB PD非対応だったわけですが、ようやく値段相応の仕様になってくれたという印象です。