USB Type-Cコネクターを採用しているThunderbolt ケーブル (Thunderbolt 3もしくはThunderbolt 4のケーブル) の見分け方を解説します。
※Mini DisplayPortコネクターを採用しているThunderboltケーブル・Thunderbolt 2ケーブルはこの記事では取り扱いません。
Thunderboltケーブルは何種類あるのか
まず初めに、そもそもThunderboltケーブルが何種類あるのかを数えてみたいと思います。
どれぐらい厳密に数えるかによって数が変わってきますが、一般的によく使用されるメタル・同軸ケーブルは以下の7種類に分類できます。(オプティカルケーブルは省略)
- Thunderbolt 3
- 20Gbps パッシブケーブル
- 40Gbps パッシブケーブル
- 40Gbps アクティブケーブル
- Thunderbolt 3 Pro ケーブル
- Thunderbolt 4
- パッシブケーブル
- アクティブケーブル
- Thunderbolt 4 Pro ケーブル
このように一言で「Thunderboltケーブル」と言っても結構な種類が存在しています。見ただけでどれに該当するか、マニア以外はなかなか判別できないと思いますので、写真付きで解説していきます。
Thunderboltロゴ + 数字の「3」

Thunderboltのロゴと数字の3が印字されているケーブルは、Thunderbolt 3の40Gbps伝送に対応したThunderbolt 3 40Gbpsケーブルです。
Thunderbolt 3ケーブルには最高20Gbpsの伝送しかサポートしない20Gbpsケーブルもありますが、数字の3が印字されているものはThunderbolt 3 40Gbpsケーブルです。
Thunderbolt 3 40Gbpsケーブルは、長さで2種類に分けられます。
- 1.0m未満: Thunderbolt 3 40Gbps パッシブケーブル
- 1.0m以上: Thunderbolt 3 40Gbps アクティブケーブル
1.0m未満のものはパッシブケーブル、1.0m以上のものはアクティブケーブルです。
信号の補正や増幅を行う回路を備えているケーブルはアクティブケーブル、そういった回路のないケーブルはパッシブケーブルと呼ばれます。ケーブルは長くなればなるほど信号の減衰やノイズの影響が大きくなるため、Thunderbolt 3では1.0m以上のものがアクティブケーブルとなっています。
Thunderboltロゴ + 数字の「4」

Thunderboltのロゴと数字の4が印字されているケーブルはThunderbolt 4ケーブルです。
- 1.0m以下: Thunderbolt 4 パッシブケーブル
- 1.0m超: Thunderbolt 4 アクティブケーブル
1.0m以下のものはパッシブケーブル、1.0m超のものはアクティブケーブルとなります。
信号の補正や増幅を行う回路を備えているケーブルはアクティブケーブル、そういった回路のないケーブルはパッシブケーブルと呼ばれます。ケーブルは長くなればなるほど信号の減衰やノイズの影響が大きくなるため、Thunderbolt 4では1.0m超のものがアクティブケーブルとなっています。
Thunderbolt 3 40Gbpsケーブルは1.0m以上のものがアクティブケーブルでしたが、Thunderbolt 4ケーブルは1.0mでもパッシブケーブルとなります。
Thunderboltロゴのみ
最後は、Thunderboltのロゴのみが印字されているパターンです。以下のいずれかに該当します。
- Thunderbolt 3 20Gbps パッシブケーブル
- Thunderbolt 3 40Gbps パッシブケーブル
- Thunderbolt 3 40Gbps アクティブケーブル
- Thunderbolt 3 Pro ケーブル
- Thunderbolt 4 Pro ケーブル
- Apple Studio Display付属ケーブル (恐らくThunderbolt 4パッシブケーブル)
- 素性不明
一部の例外を除いて基本的には1番のThunderbolt 3 20Gbps パッシブケーブルのはずなので、「Thunderboltのロゴのみが印字されているケーブル = Thunderbolt 3 20Gbps パッシブケーブル」と考えてもらってOKです。
Thunderbolt 3 20Gbps パッシブケーブル

恐らく最も流通量が多いのがThunderbolt 3 20Gbps パッシブケーブルです。Thunderboltロゴのみが印字されているケーブルは大抵これだと思います。
Thunderbolt 3 40Gbps パッシブケーブル


2番目のパターンはThunderbolt 3 40Gbps パッシブケーブルです。
どうやらAppleは3とか4といった余計なものが印字されているThunderboltケーブルをApple Storeで売りたくないらしく、Apple Storeで販売されている (いた) Thunderbolt 3 40Gbpsパッシブケーブルは数字の3が印字されていないようです。具体的な製品としてはBelkin F2CD082ds0.5MBKとApple A1896が該当します。
https://www.apple.com/shop/product/MQ4H2AM/A/thunderbolt-3-usb%E2%80%91c-cable-08-m
Thunderbolt 3 40Gbps アクティブケーブル

3番目はThunderbolt 3 40Gbps アクティブケーブルです。Apple Storeで販売されている (いた) Belkinのケーブルが該当します。
具体的な製品としてはF2CD083ds2M-BLKとF2CD085ds2M-BLKが該当します。上で紹介したF2CD082ds0.5MBKとほぼ同じ見た目ですが、アクティブケーブルのためプラグ部分が少し長くなっています。
https://www.apple.com/shop/product/HMBH2ZM/A/belkin-thunderbolt-3-5a-cable-2-m

余談ですが、Belkin F2CD085には一般小売向けのF2CD085bt2M-BLKというSKUがあり、そちらには数字の「3」も印字されています。わざわざApple Store専用に数字の3が印字されていないSKUを用意しているようです。
Thunderbolt 3/4 Proケーブル


続いて、Apple製のThunderbolt 3/4 Proケーブルとなります。
Thunderbolt 3 ProケーブルとThunderbolt 4 Proケーブルは酷似しているため外観だけで区別するのは困難ですが、Thunderbolt 3/4 Proケーブルの入手経路は、
- 単品販売: Thunderbolt 3 Proケーブル (2.0m)
- 単品販売: Thunderbolt 4 Proケーブル (1.8m/3.0m)
- Pro Display XDRの付属品: Thunderbolt 3 Proケーブル (2.0m)
の3つのみで、それぞれ長さが異なるため、長さでThunderbolt 3 ProケーブルなのかThunderbolt 4 Proケーブルなのか区別することが可能です。
Studio Display付属ケーブル
続いてのパターンはAppleのStudio Display付属ケーブルです。
Appleはこのケーブルのことを「Thunderboltケーブル」としか説明しておらず、詳しい素性は不明です。しかしながら、恐らくThunderbolt 4 パッシブケーブルではないか、というのが私の予想です。

このケーブルの外観はThunderbolt 3/4 Proケーブルと似ているため、一見するとThundoerbolt 3/4 Proケーブルのように見えます。しかしながら、Appleが「Thunderbolt Proケーブル」ではなく「Thunderboltケーブル」としていることを考えると、何らかの要素が異なっていると考えられます。
技術的に考えた時に、Thunderbolt ProケーブルはRetimerを搭載したアクティブケーブルに該当します。一方で、パッシブケーブルは1.0m以内であればアクティブケーブルと同等の性能を持つことができます。長さが1.0mであることや、Appleが「Thunderbolt Proケーブル」ではなく「Thunderboltケーブル」としていることを考えると、Studio Display付属のケーブルはパッシブケーブルではないか、という予想ができます。また、Studio Displayはモニター本体こそThunderbolt 3ですが、ケーブルに関してはThunderbolt 4ケーブルはThunderbolt 3ケーブルの機能をすべてカバーでき、わざわざThunderbolt 3のケーブルを作って付属させてもコスト的にメリットがほぼないことを考えると、Thunderbolt 4ケーブルだろうという予想が立ちます。そのため、Studio Display付属のケーブルはThunderbolt 4パッシブケーブルではないか、というのが私の予想です。
素性不明
ここまで説明してきたいずれにも該当しなかった場合、つまりApple製品「以外」に付属してきたケーブルやバルク品の場合、素性は不明です。Thunderbolt 3製品の付属品であればThunderbolt 3ケーブル、Thunderbolt 4製品の付属品であればThunderbolt 4ケーブルのはずですが、実物を確認しないと何とも言えません。

例えば、LGのThunderboltモニターにはThunderboltロゴのみのThunderboltケーブルが付属しているようです。Apple Storeで販売されていたUltraFine 4K/5K Displayであれば納得感がありますが、特にAppleが関係していないモニターについても3や4といった数字が印字されていないThunderboltケーブルが付属しているようです。
Thunderboltケーブル識別フローチャート
ということで各種Thunderboltケーブルについて解説しました。
これまでの説明を読んで余計に分からなくなった人のためにフローチャートを置いておきます。

大抵の方がお持ちなのは数字の3か4が印字されているケーブルだと思うので、このようなフローチャートは不要だとは思いますが、もし数字の印字されていないケーブルをお持ちの場合は……このフローチャートでどの種類のケーブルか特定した後はテプラでも貼っておいたほうが良いかもしれません。
各種Thunderboltケーブルがどういった機能に対応しているのかは以下の記事で解説しています。

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