Nintendo Switch 2を購入したので、Switch 2のTVモードが純正品以外のACアダプターでも動作するのか、いろいろなACアダプターで試してみました。
実は公式で必要なスペックが明言されている
こんな記事を書いておいてなんですが、実は実機で検証するまでもなく任天堂が公式で条件を明言しています。
市販のACアダプターについて
54 W以上の出力ができるACアダプターであれば、プレイモードに関係なく使用できます。
https://support.nintendo.com/jp/switch2/play/use/charge/index.html
「プレイモードに関係なく」とのことなので、54W以上であれば任天堂純正ACアダプターでなくともTVモードに使えるようです。
また、Switchの39W ACアダプターについても言及があります。
Nintendo Switch ACアダプター[HAC-002(JPN)]について
充電にのみ使用できます(TVモードでは使用できません)。
https://support.nintendo.com/jp/switch2/play/use/charge/index.html
とのことで、SwitchのACアダプターは39WなのでSwitch 2のTVモードには使えないようです。
以上。
……というのもさすがにアレなので、いろいろ試してみた結果を書いていこうと思います。
任天堂ACアダプター
Switch 2付属60W

ということでまずはSwitch 2に付属してきた60W ACアダプターです。当然ですがTVモードが有効になります。
Switch付属39W

続いて、Switchに付属してきた39W ACアダプターを試してみました。公式サポートページに記載されている通り、このACアダプターではTVモードは有効になりませんでした。

ACアダプターの出力が足りない場合、Switch 2の画面にこのような表示が出ます。
サードパーティACアダプター
Anker 60W (A2015113)
続いて、サードパーティのACアダプターでもTVモードがちゃんと有効になるか試してみました。
まず試したのは、Switch 2付属ACアダプターと同じ最大60WのAnker A2015113です。

結果は写真の通りで、TVモードが有効になりました。
Samsung 45W (EP-TA845)
今度は逆に、54W未満だとどうなるか、Samsung 45W (EP-TA845) を試してみました。

Switch付属の39W ACアダプターと同様に、TVモードは有効になりませんでした。
Belkin TBT4 Pro Dock (INC006)
今までの実験で、54W (60W) 以上出せる電源であれば任天堂純正品だろうがサードパーティー品だろうが良いっぽいことが分かったので、変化球としてBelkinのThunderbolt 4ドック (INC006) を電源として使用してみました。
このドックのアップストリームポートは最大90Wの給電をサポートしています。

写真の通り、この組み合わせでもTVモードは有効になりました。54W (60W) 以上出せる電源であれば基本的に何でも良いようです。
本当に54W以上が条件か確かめる
Switch 2付属のACアダプターは定格60Wである一方、公式サポートページでは54W以上であればTVモードに使用できると記載されています。任天堂がウソを載せているとは思いませんが、本当に閾値が54Wなのか気になったので試してみました。
と言っても、都合よく定格54WのACアダプターなど売ってませんし、プログラマブルなUSB PD電源なども持ってないため、どうしたものかと考えたのですが、最終的に以下の方法で確認しました。
Belkin TBT4 Dockで試した結果からも分かるように、Switch 2ドックに接続する電源は一定以上の出力であれば任天堂純正品かどうかはTVモードに影響しないことは確認済みです。そのため、Switch 2のドックと電源の間に適当なUSB-Cハブを挟むことによって最大54Wかそれに近い電源を無理矢理作り上げ、それを使って本当に54Wが閾値なのか調べることとしました。

電源はSwitch 2の60W ACアダプターですが、ハブが消費する5Wがマイナスされ、最大55Wとなっています。

これを電源としてみたのが上記の写真で、55W電源でも問題なくTVモードで動作しました。公式サポートページの記載通り、54W以上の電源であればTVモードが有効になるようです。
Switchで使ったACアダプターだとどうなる?
最後に、SwitchではTVモードが有効にならなかったACアダプターがSwitch 2ではTVモードが有効になるのか試してみました。
詳しい話はSwitchの過去記事に書きましたが、簡単に説明すると、SwitchではSource_Capabilitesメッセージを複数回送信するような挙動をするACアダプターを電源に使うと、ACアダプター・ドック間で電力のネゴシエーションが期待通りに行われず、TVモードが有効になりません。


上記と同じ機材を使用してSwitch 2で試した結果が以下です。


Switch 2ではTVモードが有効になりました。
SwitchはUSB-Cが普及し始めたぐらいタイミングで発売されたこともあり、現在からするとちょっとこなれていない部分もありましたが、Switch 2では改善されているようです。
所感
ということで、Switch 2のTVモードに使えるACアダプターを調べてみた話でした。まぁ、任天堂が公式に条件を言ってくれているので、ただそれを確認しただけですが。
Thunderbolt Dockを電源にしてみたり、ACアダプターとの間にUSB-Cハブを挟んでみたりとトリッキーなことも試してみましたが、それでもTVモードは有効になりました。このことからも分かるように、TVモードの動作に必要なACアダプターの要件は「54W以上の出力ができること」のみで、任天堂純正品である必要はないです。 (あくまで任天堂純正のSwitch 2ドックを使っている場合の話)
オタク的には、全体的にブラッシュアップされているなという印象を持ちました。上記のいわゆるSplit PDOなACアダプターでも正常にTVモードが動作するようになった点以外にも、Switchのドックは例えば45WのACアダプターを接続すると、純正ACアダプターの39W (15V 2.6A) ではなく45W (15V 3.0A) をリクエストして必要以上の電力を確保するという、ちょっと行儀の悪い挙動をしていました。対してSwitch 2では、60W超のACアダプターを接続しても60Wしかリクエストせず、必要以上の電力を確保しなくなっています。Switchが使用していたのは15Vなのでせいぜい45W程度で済みましたが、Switch 2では20Vが使用されるようになっているため、Switchと同じような挙動だと最大100Wを確保していた可能性もあります。最近は複数ポートで出力容量を共有しているACアダプターも多いので、そういったACアダプターで100W確保されると結構痛いです。目立ちませんが、細かいところで改善がされています。 (まぁ、そもそも任天堂的には純正ACアダプターを使って欲しいとは思いますが)
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