POCO F3の充電仕様や付属のACアダプター・ケーブルについて調べた

POCO F3を買ったので、対応している急速充電規格や、付属のACアダプター・ケーブルの仕様について調べてみました。

※ POCO F3 M2012K12AG (Android 11 / MIUI 12.0.5 / V12.0.5.0RKHEUXM / セキュリティパッチレベル2021年1月1日)

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POCO F3付属のACアダプター・ケーブル

POCO F3には33W出力のACアダプターとケーブルが付属してきますが、XiaomiはこのACアダプターとケーブルに2つの愚かな実装を行っています。

USB-AなのにUSB PD対応

POCO F3付属ACアダプターはUSB Standard-AなのにUSB PDに対応しています。

(「USB PD Rev 3.0で廃止されたというLegacyコネクターでのUSB PDか!?」と勘違いする人が出てきそうなので一応言っておきますが、USB PD Rev 2.0で規定されているLegacyコネクターでのUSB PDはLegacy to LegacyのみでLegacy to Type-Cは存在しないため、これはLegacyコネクターでのUSB PDではないです。ただXiaomiが魔改造しているだけです)

試しにPOCO F3付属のACアダプターとケーブルでThinkPad Yoga 370やiPad Pro 11 (2018) を充電してみたところ、USB PDのネゴシエーションが行われて9Vや15Vといった電圧が印加されていました。

一体どういう仕組みでUSB PDに対応させているのかというと、ACアダプター・ケーブルのUSB Standard-AコネクターにUSB 2.0の4ピンとは別の第5のピンが用意されており、このピンがケーブルのUSB Type-CコネクターのCCラインと繋がっていてUSB PDのパケットをしゃべるようになっています。そのため、このXiaomi純正ケーブル以外ではUSB PDは利用できません

Xiaomi純正ケーブル以外を使った場合は、ただのQuick Charge 3.0対応ACアダプターとして動作します。

USB PD PPSの利用が制限されている

XiaomiがこのACアダプターに対して行った愚かな実装の2つ目は、USB PD PPSの利用の制限です。写真の通り、接続されているデバイスによってPPSのPDOが通知されたりされなかったりします。

この意味不明な制限のおかげで、本来であればPPSで25W充電を行えるはずのGalaxy S20 FEを充電しても、ただのUSB PD充電になります。

POCO F3本体の充電仕様

POCO F3付属のACアダプター・ケーブルについてはこれぐらいにしておいて、POCO F3本体の充電仕様に移ります。

POCO F3付属のACアダプター

POCO F3をPOCO F3付属のACアダプターとケーブルで充電した場合、PPS 3.3〜11.0V⎓3.0AでUSB PDのネゴシエーションが行われてMi Turbo Charge 33Wが有効になり、約27Wが供給されていました。

POCO F3付属ケーブルではなく普通のUSB A to Cケーブルを使った場合はUSB PDが利用できないため、QC 3.0で約15Wが供給されていました。

Xiaomi AD65G

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窒化ガリウム (GaN) 素子を採用したXiaomiブランドの65W ACアダプター「AD65G」を購入したのでレビューします。

Xiaomi AD65GでPOCO F3を充電したところ、PPS 5.0〜11.0V⎓5.0AでUSB PDのネゴシエーションが行われてMi Turbo Charge 33Wが有効になり、約27Wが供給されていました。

Samsung EP-TA845

Samsung EP-TA845でPOCO F3を充電したところ、PPS 3.3〜11.0V⎓5.0AでUSB PDのネゴシエーションが行われ、約20Wが供給されていました。

ELECJET X21

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ELECJET (电友) というブランドの65W ACアダプター「X21」を購入したのでレビューします。

ELECJET X21でPOCO F3を充電したところ、PPS 3.3〜11.0V⎓5.0AでUSB PDのネゴシエーションが行われ、約20Wが供給されていました。

Anker PowerPort III 65W Pod

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PowerIQ 3.0 (Gen2) を搭載しているAnkerのUSB PD 65W充電器「PowerPort III 65W Pod (型番: A2712121) 」を購入したのでレビューします。

Anker A2712121でPOCO F3を充電したところ、Fixed 5V⎓3AでUSB PDのネゴシエーションが行われ、約13Wが供給されていました。

Anker PowerPort III 45W Pod

Anker PowerPort III 45W Pod レビュー
AnkerのUSB PD 45W充電器「PowerPort III 45W Pod」 (型番: A2711121) を購入したのでレビューします。

Anker A2711121でPOCO F3を充電したところ、Fixed 5V⎓3AでUSB PDのネゴシエーションが行われ、約13Wが供給されていました。

Quick Charge 3.0

Quick Charge 3.0 (Class A) 対応のACアダプターでPOCO F3を充電したところ、約16Wが供給されていました。

Quick Charge 3.0 (Class B) 対応のELECJET X21のUSB Standard-AポートでPOCO F3を充電したところ、Mi Turbo Charge 27Wが有効になり、約25Wが供給されていました。

USB Type-C Current

USB PD非対応、Quick Charge 3.0非対応、USB Type-C Current 3A対応のGoogle ADP-23AWでPOCO F3を充電したところ、約7Wが供給されていました。

POCO F3はUSB Type-C Current 3A非対応の模様です。

POCO F3の充電仕様まとめ

ACアダプターが対応している充電規格電力
Mi Turbo Charge 33W〜最大 約26W
Mi Turbo Charge 27W
(QC 3.0 Class B)
最大 約26W
USB PD
(PPS 3.3/5.0〜11.0V 対応)
最大 約20W
USB PD
(PPS 3.3/5.0〜11.0V 非対応)
最大 約15W
Quick Charge 3.0 (Class A)最大 約15W
USB Type-C Current 3A非対応 (7.5W充電)

POCO F3を最速で充電したい場合は、基本的にXiaomi純正のACアダプターを使用する必要があります。POCO F3付属のACアダプターは付属のケーブルと一緒に使わないとただのQC3.0 ACアダプターとしてしか動作しないため、ケーブルをなくしたり断線させたりするとMi Turbo Charge 33Wでの充電ができなくなります。

サードパーティで唯一、POCO F3付属ACアダプターと同等の速度で充電可能なのがQC 3.0 Class BのACアダプターです。なぜQC 3.0 Class Bだと充電が早いのかと言うと、Mi Turbo Charge 27Wの中身がQC 3.0 Class Bだからです。そのため、もしPOCO F3付属のACアダプターまたはケーブルが何らかの理由で使えなくなってしまった場合は、QC 3.0 Class BのACアダプターを入手すれば純正ACアダプターと同等の速度で充電できます。 (日本ではあまり売ってないですが)

そして意味不明なのがUSB PDです。POCO F3付属の33W ACアダプターは内部的にはUSB PD PPSを利用していますが、サードパーティのACアダプターではPPSでネゴシエーションが行われていたとしても最大20Wで頭打ちとなります。Xiaomi純正ACアダプターを使用した場合はXiaomiのVendor IDのUnstructured VDMがやり取りされており、恐らくこのやり取りによってPOCO F3とACアダプターが互いにXiaomi純正品か確認しあっているものと思われますが、Xiaomi純正品であることが確認できない場合は充電が最大20Wに制限されるようです。

そしてもう1つUSB PDで意味不明なのが、9V Prog以外のPPS PDOが無視されるという点です。USB PDのオプション仕様であるPPSは、例えば3.3〜11.0Vであれば3.3〜11.0Vの間の任意の電圧を0.02V刻みで要求できる仕組みですが、POCO F3は3.3〜11.0Vまたは5.0〜11.0V以外のPPS PDOを無視します。3.3〜16.0Vや3.3〜21.0VといったPPSのPDOは3.3〜11.0Vをカバーしていますが、POCO F3はそれを無視するため、例えPPS対応ACアダプターであっても3.3〜16.0Vや3.3〜21.0Vにしか対応していない場合は、普通のUSB PDによる15W充電になります。

データ転送周りの仕様

POCO F3のUSB Type-CポートはUSB 2.0のピンしかないのでUSB 2.0です。

USB 3.xのピンはDisplayPort Alternate Modeにも使用されますが、POCO F3には物理的に存在していないため、当然DP Alt Modeにも対応していません。

イヤホンジャック変換アダプター

USB Type-C - イヤホンジャックの変換アダプターは2種類あるので要注意
USB Type-Cをイヤホンジャックに変換するアダプターは2種類あるので、購入する際は注意しましょう。

POCO F3にはイヤホンジャック変換アダプターが付属してきます。

POCO F3付属の変換アダプターをGalaxy S20 FEに接続したところ、「未対応のデバイスです」と表示されました。そのため、この変換アダプターはアナログ型と考えられます。

当然ですが、POCO F3に接続した場合は問題なくイヤホンから音声が再生されました。

サードパーティの変換アダプターとしてアナログ型のエレコム AD-C35BKとDAC内蔵型のApple A2049をPOCO F3に接続してみたところ、どちらも問題なくイヤホンから音声が再生されました。

まとめると、

  • POCO F3本体: DAC内蔵型・アナログ型どちらの変換アダプターにも対応
  • 付属のアダプター: アナログ型なのでPixel, Galaxy, iPadなどでは使用不可

となります。

 
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所感

POCO F3本体にしろ付属のACアダプター・ケーブルにしろ意味不明な実装だらけで、すごく “Xiaomiらしい” という印象です。全体的に努力する方向が517°ぐらいズレています。

POCO F3が対応しているMi Turbo Charge 33Wは内部的にはただのUSB PD PPSなので、普通に考えれば純正品でもサードパーティでも同じ速度で充電できるはずですが、実際には純正品でない場合は速度が制限されるようになっています。わざわざ手間をかけてユーザーに不便を強いており、労力の掛け方が間違っているとしか言いようがありません。純正品でもサードパーティでも最高速度で充電できるGalaxyのSuper Fast Chargingをちょっとは見習ってほしいですね。

付属ACアダプターに関しても、素直にUSB Type-Cを採用するのではなく、わざわざUSB-Aを魔改造してUSB PDに対応させる意味が分かりません。仕様にないものを無理やり対応させているせいで、接続のたびにACアダプターにリセットが掛かる (USB-Aなのでコンセントに接続されるとACアダプター内部のコントローラーがデバイス接続状態になってVBUSに5Vが印加されるようになっているが、約10秒間USB PDの応答がないとUSB PDのパケットを送るのを止めてしまうので、スマホが接続される度にリセットするようになっている) とか、専用ケーブルじゃないとUSB PDが利用できないとか、色々とほころびが発生しています。


まぁボロクソ言いましたが、普通に充電はできているので、速度さえ気にしなければ実用上で特に問題は発生しないと思われます。知らんけど。

QC 3.0のACアダプターでも急速充電できますし、個人的には独自充電規格ゴリ押しの某O系列 (O/O/r) のスマートフォンよりはマシという印象です。

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